INVENTIONS & DIMENSIONS (Blue Note) |
| - Herbie Hancock |
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Herbie Hancock (p) Paul Chambers (b) Willie Bobo (ds & timbales) Osvaldo "Chihuahua" Maritinez (conga & bongo) 1963/08/30 |
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ハービー・ハンコックのブルー・ノート3作目。 ハンコックのピアノに興味を持つと、彼のピアノ・トリオを聴いてみたくなるが、彼にはピアノ・トリオの作品は少ない。 強いていえば、このアルバムがピアノトリオに近いフォーマットかな? というのが、このアルバムを購入した動機だ。 ピアノ・トリオにパーカッションが加わるという特異な編成だが。 ドラムというよりは、ピアノとベースにパーカッション2台が加わったようなサウンドに聞こえるのは、ウィリー・ボボがドラムとティンバレスを兼任しているからかもしれない。 そして、オズワルド・チワワ・マルチネスは、コンガとボンゴ担当。 彼ら二人の織り成すリズムが、多角形的なハンコックのピアノを照射し、さらに多面的な立体感を与えている。 最後の曲の《ジャンプ・アヘッド》は比較的ストレートな4ビートだが、それ以外のナンバーは、まるで幾何学的な図形を眺めているような気分になる。 ポリリズミックな反復によって、立体的な音空間を構成する試み。 旋律よりも、リズムのフォルムの探求をハンコックはしてみたかったのかもしれない。 一曲目の《スコタッシュ》が、まさにその典型。 6/8拍子のリズムだが、パーカッションとベースのコンビネーションが、静かな緊張感を生んでいる。 まるで、前へ進む力と、後ろへ押し戻す力の攻防とでもいうべきリズムのせめぎ合い。そして、そのせめぎ合いが独特の雰囲気を生んでいる。 押しては寄せるリズムの中で、ハンコックのピアノのリフは、無表情に「そこにいる」といった面持ち。 時間の中を進みもしなければ、退きもしない。止まっているわけでもなく、ただ、不思議なリズムの中を力強く漂い、演奏全体にじわじわと沸き起こる静かな興奮を喚起させている。 ハンコックが、録音の際に、メンバーに唯一出した指示は、「そのとき発せられている全ての音を聴くこと」だそうだが、シンプルな指示の中、結果的には随分と手の込んだ演奏に聴こえてしまう。 また、3曲目の《ジャック・ラビット》も面白い。 チェンバースのベースの単調かつ執拗な反復が印象的だ。 演奏は、勢いにあふれているが、スピード感あるシンバルレガートに比して、その流れにつかず離れずで繰り返されるコンガが奇妙に印象に残る。 また、ハンコックのピアノは、これぞハンコック!としか言いようのない、和音とフレーズを用いて、エキサイティングなピアノを弾いている。 ボサノバ的な曲調を彷彿とさせつつも、ストレートにラテン・チックとは言い難い《ミモザ》も面白い。 ピアノとメロディが美しくロマンティックだ。 2台のパーカッションが南国的情緒をうまく醸成させている。 ラテンといえば、ハンコックのライバル(?)、チック・コリアを思い出すが、ここでのラテンはチックのような煌びやかさや、明るさ、華やかさには欠けるものの、もっと土着的で、地に足のついた落ち着いた雰囲気が醸し出されている。 個人的には、このアルバムの中では一番好きなトラックだ。 このアルバムは、マイルスの『イン・ヨーロッパ』の直後に録音されている。 この時期のハンコック、マイルスの元では、新しい4ビートを探求し、自分のアルバムでは、従来には無いリズムの構成と配列を研究していたということになる。 創作意欲に燃えていたのだろう。 ちなみに、ドラムとパーカッションのウィリー・ボボは、アメリカで大スターらしい。 この大スターの参加が、大きな話題を呼び、かつ、異色の組み合わせが大きな効果をあげているという旨を、何かの解説で読んだことがある。 しかし、ウィリー・ボボについての解説は、ざんねんながら彼に関しての知識はまったくないので、省略です。スイマセン。 |
| (2002/06/06) |
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