HERE COMES (Contact) |
| - Earl Hines |
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Earl Hines (p) Richard Davis (b) Elvin Jones (ds) 1966/01/17 |
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なんとアール・ハインズ、これを録音したときは風邪をこじらせていたのだという。気分も沈みがちで、「今夜は調子が出んね」とスタジオでこぼしていたのだとか。 しかし、『ヒア・カムズ』のピアノはゴキゲンだし、力強い。 かならずしも、本人のコンディションと、出てくる音は一致しないという好例なのかもしれない。 もっとも、風邪をひき、気分もふさいでいたのは、レコーディングに取り組む前のことで、いざピアノを弾き始めたら、スイッチが入って、ノリノリな気分に変化したのかもしれないが。 この、陽だまりの中で思いっきり背伸びをしているような、のびのびと心地よい演奏を聴くと、きっと、そうに違いないと勝手に確信してしまう。 驚くべきは、リズム隊。 オールドなテイストの漂う、のほほんとした陽気なリズムを作り上げているのは、エルヴィン・ジョーンズに、リチャード・デイヴィスなのだ。 コルトレーンとの共演歴などから分かるとおり、2人とも、モダン、かつアグレッシヴで重量級のリズムを奏でるジャズマンだ。 アール・ハインズは1905年生まれ。 ルイ・アームストロングのバンド(ホットセヴン)のピアニストも務めた彼は、サッチモの演奏スタイルにヒントを得て、右手であたかもトランペットを奏するがごとく力強いシングルトーンを弾くスタイルを生み出したジャズピアノに新たな表現のスタイルの1ページを飾ったイノベーターでもある。 このアルバムが録音された年が1966年だから、すでに彼は60歳を超えていた。すでに、ジャズの歴史の生き証人の年ともいえるスイングの巨人と、新しいジャズを築き上げようとするチャレンジ精神旺盛な若いリズムセクションが2人。 世代もスタイルも違うこの2人の共演は、パーソネルだけみると「ミスマッチじゃなかろうか?」と一瞬感じるが、実際の音を聴くと、それはまったくの杞憂だということが分かる。 彼らほどハインズに相応しいリズムセクションもいないんじゃないかと思えてくるほど、心地よく演奏をサポートしているのがお見事。 一見、異色の取り合わせも、その実、抜群な組合せだったのだ。 「調子が出んね」と言っているわりには、あいかわらずエネルギッシュかつダイナミックなタッチのピアノを繰り広げるハインズ。 とこまでも聴き手を楽しませる演奏スタイルは、あたかもゴージャスさを抑制した骨太のエロール・ガーナーばりのピアノとでも言うべきか。 快調に飛ばす《スタンリー・スティーマー》が、本作のハイライトだろう。 とても、“風邪ひき老人”の芸とは思えない。 |
| (2004/12/27) |
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