HAPPENINGS (Blue Note) |
| - Bobby Hutcherson |
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Bobby Hutcherson (vib&marim) Herbie Hancock (p) Bob Cranshaw (b) Joe Chembers (ds) 1966/02/08 |
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はじめてこのアルバムを聴いたのは、ジャズ喫茶「いーぐる」で。 学生のとき。まだジャズを聴き始めて日も浅いときだった。 友人と一緒に渋谷へ行った私は、『バド・パウエル・イン・パリ』や『ポートレイト・イン・セロニアス』や『ゴールデン・サークル vol.2』などといった、後期パウエルの代表作とされているアルバムを数枚買い込み、帰りに四谷で途中下車をし、「いーぐる」に立ち寄った。 スピーカーの前の席に座り、ドナルド・バードの『フュエゴ』や、ジャッキー・マクリーンの『ジャッキーズ・バッグ』のB面が流れる店内で、値段のわりには量が多くてお得なアイスココアを飲みながら、友人とジャズの会話に花を咲かせていた。 そろそろ、帰ろうと席を立とうとしたのが、ちょうどアルバムのかけ替えのタイミングの時。 我々が腰を浮かせた瞬間、爽やかでクールな《処女航海》が流れてきた。 『ハプニングス』のB面の一曲目が流れてきたわけだが、ハービー・ハンコックの《処女航海》とはまったく違った清涼感溢れる演奏に驚き、結局はアルバムのB面が終わるまで再び店に踏みとどまってしまった。 おそるおそる、店内でかかっているアルバムが掲示されているコーナーへ行き、ジャケットを手に取ると、ボビー・ハッチャーソンという名前のヴァイブ奏者のリーダーアルバムだということが分かった。 しかも、《処女航海》の作曲者、ハービー・ハンコック自身もピアノで参加しているではないか。 なんだ、ハンコック、自分がリーダーのときよりも、サイドマンとして参加したバージョンのほうが良い演奏じゃないかとそのときは思ったものだ。もちろん、今はそうは思ってないけど。 管楽器がヴァイヴに変わるだけで、こうも音の肌触りが変わるものかと驚くと同時に、当時はミルト・ジャクソンぐらいしか知らなかった私の頭の中ににボビー・ハッチャーソンという名前がしっかりと刻み込まれた。 《処女航海》のインパクトがこのアルバムの第一印象だったが、後に『ハプニングス』を購入して改めて聴き直してみると、かなり硬派な内容で、フリージャズの一歩手前的な演奏のほうが多いことに気がついた。 《処女航海》のように叙情的なヴァイヴも演奏するが、どちらかというと、ハッチャーソンのヴァイヴは、非常にクールで理知的な印象が強い。 メカニカルな印象すら受ける瞬間もある。 新主流派ならではの浮遊感漂う不思議なムードに乗ってたたき出されるハッチャーソンのヴァイヴは、演奏全体をクールに引き締め、非常に理知的な雰囲気を醸成している。 張り詰めた緊張感と、透明感溢れる不思議な空間。 特にラストの<ジ・オーメン>は、混沌とした音空間だが、明晰なハッチャーソンのヴァイブの音色がコロコロと転がるだけで、この音空間がなにやら不思議な間取りで整理整頓されるように感じるから不思議だ。 《処女航海》のリメイク盤として有名なアルバムで、実際、私の場合も、この演奏で、『ハプニングズ』の虜にはなったが、むしろ、それ以外の曲において不思議な立体空間を演出するハッチャーソンのヴァイブもしっかりと味わいたい演奏が満載だ。 |
| (2003/06/18) |
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