Street Of Dreams (Blue Note) |
| - Grant Green |
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Grant Green (g) Bobby Hutcherson (vib) Larry Young (org) Elvin Jones (ds) 1964/11/16 |
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ヘンな喩えだが、このサウンドの気分は、 “昼の情事の後のマッタリ感”に近い。 シチュエーションは、夜ではなく、午後。 それも、夕暮れ時を間近に控えた遅い午後がいい。 燃え盛った後に、一息つく。 で、窓から外を眺めると「ああ、もう夕方なんだぁ」なんてタバコを一服吸って吐き出すときの倦怠感。 ついでに、テキーラやラムなどのアルコールに氷を入れて乱暴にかき回し、グイッと一杯。冷たくドロリとしたアルコールが臓腑にジンワリ染みてゆくマッタリ感。 こんなアホな妄想を呼び醒まされるのは、私だけなのでしょうか?(笑) セクシー。だけど気だるくマッタリ。 んでもって、肉感的。 エネルギッシュではあるんだけれども、 勢いよく「ドバーッ!」とではなく、 むしろ、衝動的なものや勢いを覆い隠すように、じんわりと染みこんでくる感じ。 ちょっと疲れて一息ついたときに、気だるく染みてくる安楽感。 聴けば聴くほど、ズブズブと、マッタリ&アーシーな世界に身を委ねる快感。 『ストリート・オブ・ドリームズ』の甘美で気だるい音世界はかくの如し。 このニュアンスは、4年後に録音されたグリーンのリーダー作、『抱きしめたい』にも近いものがある。 この『抱きしめたい』にも、情事の後の倦怠感に近い、“ベッドから起き上がるのが面倒くさいマッタリした気だるさ”がある。 両アルバムのパーソネルはほぼ同じ。 違うのはテナーサックスのハンク・モブレイ(『抱きしめたい』)か、ヴァイブのボビー・ハッチャーソン(『ストリート・オブ・ドリームズ』)か、だけだ。 ということは、グラント・グリーンのギター、ラリー・ヤングのオルガン、エルヴィン・ジョーンズの3人に鍵がありそうだ。 グリーンの肉感的なギターはまったりとセクシー。 そう、あくまでマッタリとね。 元気なセクシーじゃないよ。 アルコールが体内に廻って心地よいんだけども、歩くのも喋るのも面倒なだなぁ、しばらく話しかけないでぇ、放っておいてぇ〜な感じのマッタリ。 このマッタリ感に ♪しゅわぁ〜 と拍車をかけるのがラリー・ヤングのオルガン。 弾こうと思えば弾きまくれるだけの技量のある人だが、力を7割以下にセーブして、肩の力を抜いたサポートとソロを余裕でかましている。 この“頑張らなさっぷり”が適度にサウンドの風通しを良くし、「うーん、心地よい。このままダラリとしていたいわぁ」な気分に拍車をかける。 エルヴィンのドラムはエネルギー配分がコルトレーンのバックのときとは明らかに違う。 コルトレーン・カルテットのような猛烈なプッシュ、プッシュ、プッシュは無い。 しかし、オモテ向けのエネルギーは、演奏の推進力には費やさず、むしろ、ミドルテンポのリズムに柔らかく弾力性に富んだクッションづくりに割いている。 グリーンのギターに張り付くようなリズムの粘りは、内側からゆっくりと突き上げてくる高揚感を感じる。 そして、よく聴くと分かるが、彼のドラム、まったく単調ではない。1小節として同じパターンを叩いていないんじゃないかと思わせるほど、シンバルを打つパターンや、場所(シンバルは叩く場所によって音色が変わる)を細かく変化させながら細かいニュアンスを出しつつ、下半身がムンムンするような、粘りのあるビートを叩き出している。それも控えめに。 この3人の、むっちりとした要素が合体すると、たまらなくアーシー&マッタリなグルーヴサウンドが形成され、あとは、ボビー・ハッチャーソンが参加しようが、モブレイが参加しようが、基本的には醸し出されるサウンドキャラクターに大差はなくなってしまうのだ。 一番熱いのはタイトル曲。 聴いているうちに、じわじわ少しずつ演奏が盛り上がってくる。グリーンの、フレーズくり返し奏法も心地よい。静かに、ゆっくりと演奏のテンションが昂ぶってくるまでの過程がたまらない。 もちろん、他の3曲も秀作、秀演。 10分を越す長尺演奏が多いが、気だるい気分でダラリとベッドに横たわりながら、あるいはカウンターの席にダラリと寄りかかりながら聴けば、まったく時間の長さは気にならない。 むしろ演奏のディティールに耳をフォーカスさせる絶好の機会かも。 グリーンのギターに飽きれば、ラリー・ヤングのオルガンのベースラインを追いかけるもよし、最終的には、けっこう地味に複雑なことをやっているエルヴィンのドラムに気が付けば最高。このままいつまでも演奏続いてねぇ〜となること請け合い。 特に甘美な切なさを残してアルバムを締めくくる《サムホエア・イン・ザ・ナイト》にはホロリとくる。 是非、まったりと酔っ払って聴いてみてください(ラリりながらでもいいけど、私は責任持ちません)。 ジャケットもいいよね。 シアンとスミの二色写真は、ムード満点。 これがカラーだったらムードぶち壊し。 見ようによってはブルースのアルバムにも見えなくはないが、やっぱりブルーノートならではの力強いテイスト。 グリーンの名ではなく、敢えてタイトル文字をグリーンにするセンスも素晴らしい。 ついつい、じーっと眺めてしまうジャケットだ。 |
| (2007/12/29) |
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