STAN GETZ QUARTETS (Prestige) |
| - Stan Getz |
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#8,9,10,11 Stan Getz (ts) Al Haig (p) Gene Ramey (b) Stan Levey (ds) 1949/06/21
#1,2,3,4
#5,6,7,12,13,14 |
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スタン・ゲッツの良さは、どんなに難しい曲や演奏でも、いとも簡単にスムースに演奏してしまうところ。普通だったら額に汗して演奏するところを、難解さや懸命さ微塵も感じさせず、滑らかに、しかもメロディアスに演奏してしまうところだと思う。 レスター・ヤングの影響を強く受けたソフトな流麗さ、流れるようなスムースなフレージングは、ゲッツにしか出せない味わい。いわば職人芸だ。 スタン・ゲッツは、この職人芸を大きくブレることなく、終生貫きとおした稀有なインプロヴァイザー。よって、彼の作品には当たり外れの大きな差はない。 あとはサウンドの肌触りの違いで、人によって好きな時期が分かれるだけだ。 私に関していえば、一般にクール時代のゲッツと分類されている時期、そう、『スタン・ゲッツ・カルテット』のゲッツが好き。 この時期のゲッツと、バックのリズムセクションが醸し出す雰囲気がたまらなく好きだ。 もちろん、ボサに手を染めたゲッツも好きだし、晩年のケニー・バロン(p)との心温まる交流も素晴らしい。 ビル・エヴァンスや、チック・コリアらのピアニストと“競演”した熱いゲッツもエキサイティングだ。 しかし、最終的に落ち着くのは、『スタン・ゲッツ・カルテット』の世界。 この肌触り、このぬくもりだ。 初期のゲッツは、“クール・ゲッツ”と呼ばれるように、たしかにエモーションを内に秘めたままのアプローチはクールなのだろう。しかし、浮かび上がるテナーの音色そのものは、よく聴くと、非常にウォーム。 冷えきった秋の雨の中、ようやく辿りついた小さな喫茶店の扉を開けた瞬間に感じる、ぬくもりと安心感のようなものを感じる。 どこまでも空間にとろけるようにマイルドで暖かなテナー。穏やかで淡々とした語り口の中にも、たしかなぬくもりを感じる職人ゲッツのテナーサックス。 だから私は『スタン・ゲッツ・プレイズ』には深い愛着を感じているのだ。 |
| (2006/11/18) |
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ゲッツは、いつだってゲッツで、その本質は変わることはないのだが、時代によって、微妙にスタイルが変わっている。 クール・サウンドのゲッツ。 ボサ・ノバのゲッツ。 チック・コリアを迎えた新境地のゲッツ。 晩年のケニー・バロンと共演したゲッツ。 活動の節目節目に、印象的なアルバムを放っている彼。 どの時代のゲッツが好きかは、人それぞれ、様々思い入れがあることだろう。 私の場合だが、もっとも好きなゲッツは初期のコレ。 『スタン・ゲッツ・カルテッツ』だ。 最初に出会ったのがこのアルバムだという理由も大きいが、デリケートで儚げなサウンドが、何ともいえず心に染みるのだ。 クールで、ちょっと湿り気も帯びたゲッツを堪能できるこのアルバム、雨の朝にこれを流しながら、静かにコーヒーを飲むことが、このアルバムと出会ってから10年来の私の習慣となっている。 ゲッツと、クール・サウンドについて、少し書いてみる。 1940年代に起こったビ・バップ革命は、めまぐるしく起伏に富んだスリリングなフレーズと、勢いに溢れるサウンドで、ジャズ界に革命を起こしたのは周知の通り。 しかし、40年代も末になると、そういった「熱い」感情を、外ではなく、むしろ内に秘め、表面的には、もっとスマートで洗練されたサウンドを奏でるプレイヤーが現れるようになってきた。 「クール派」だ。 ほとんどが、白人だった。 彼らの演奏スタイルのルーツは、レスター・ヤングに求めることが出来る。 レスターの柔らかな耳ざわり、そしてスムースにメロディが流れてゆくようなレガート奏法。 47年の秋から49年の初旬まで、スタン・ゲッツが籍を置いていた、ウディ・ハーマン楽団の「セカンド・ハード」には、ズート・シムズ、ハービー・ステュアート、サージ・チャロフら白人サックスプレイやーがメンバーとして加わっていたが、彼らのスタイルは、レスター・ヤングの奏法の影響が感じられる。 そして、彼らの織り成す、スマートなサックスのアンサンブルが「クール・サウンド」のはしりとされている。 特に、47年の暮れに、ハーマンのセカンド・ハードによって吹き込まれた「サマー・シークエンス第4部」におけるゲッツのソロ。 作曲者のラルフ・バーンズは、これにいたく感激し、ゲッツのソロ・パートをフィーチャーした編曲を新たに施し、ゲッツは1年後に「アーリー・オータム」のタイトルで再びこの曲を録音した。 この、ゲッツによる「アーリー・オータム」によって、クール・ジャズは幕を開けたとさえ言われるほど、ここでのゲッツのプレイは素晴らしかったのだ。 ハーマンのバンドから独立したゲッツは、グループを結成し、さらに知的で繊細なプレイに磨きをかけた。 この時期が、クール・ジャズにおける一つのピークだし、ゲッツがその一翼を担っていたことは疑いようもない。 そして、そんな時期の、彼の繊細なプレイを堪能出来る1枚が、このアルバム、『スタン・ゲッツ・カルテッツ』だ。 私の場合は、ゲッツのテナー・サックスはもちろんのことだが、アル・ヘイグのピアノも好きなので、1曲目の「小さなホテル」のピアノのイントロの数音を聴いただけで、もうこのアルバムの持つヒッソリと耽美的な世界に入り込んでしまう。 アル・ヘイグのピアノって、ほどよい湿り気があるのですよ。 とくに、このアルバムでのヘイグのピアノにはそれが顕著で、適度に「濡れた」ピアノは最高だ。 《ホワッツ・ニュー》に代表されるバラードも、なんて儚げなんだろう。 まるで、手のひらの上に乗った瞬間、すぐに溶けてしまう粉雪のようにデリケートだ。 肌触りは少し冷んやりと、それでいて、音楽の芯からは、確かな温もりを感じるサウンド。 悲しいとか、美しいとか、そういった言葉に還元出来る情感ではなく、ただひたすら儚げで美しい世界が続くのだ。 |
| (2002/04/17) |
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