LINEAGE (Blue Note)
- Benny Green

  1. Dat Dare
  2. I'll Wait And Pray
  3. Phoebe's Samba
  4. See See Rider
  5. Debo's Waltz
  6. Ask Me Now
  7. Crazy
  8. Lil' Derlin'
  9. Lebitation
  10. If Ever I Would Leave You
  11. Trust
  12. Glass Enclosure

Benny Green (p)
Ray Drummond (b)
Victor Lewis (ds)

1990/1/30-2/1

ベニー・グリーンの初期の名作、『ラインエイジ』を聴くと、彼は、実によく先輩ピアニストのことを研究しているのだなと思う。
まるで、先人たちの曲と演奏のおいしいエッセンスを吸収・消化し、これを核として、少しずつ自己のスタイルを築き上げようとしてする過程が手に取るように分かる。

彼の端正で重厚なタッチで弾かれる先人たちの名曲は、その特質を損なうことなく、そして、なんら不自然さを感じさせずに現代に甦っている。

たとえば、ボビー・ティモンズの《ダット・デア》や、モンクの《アスク・ミー・ナウ》。
これらは、本家本元の演奏に迫るかのごとくの演奏だ。
ティモンズやモンクの曲やプレイの細部にいたるまで、実によく研究しているのだ。

まるで「そっくりさん」を目指すがごとくの、ストイックなまでに徹底した探求ぶりは、“個性の音楽”といわれるジャズにおいても、“コピーゆえの没個性”を超えて、逆に“これも一つの個性”と聴き手を納得させてしまうぐらいの気迫と力量が感じられる。

ファンキーなノリ。音の重ね方。
誰かの、他の演奏で聴いたことがあるような懐かしさを感じる瞬間も多いが、重厚で端正なピアノのタッチは、やはりベニー・グリーンならではのもの。

そして、グリーンが演奏する、もはや“古典”ともいえる曲群と、重たいけれども粘り過ぎないピアノのタッチは、見事にマッチしているのだ。

唯一の例外といえば、3曲目のサンバぐらいなものか。
バックの軽快なノリと比べると、グリーンの重めのピアノは、ちょっとミスマッチな感じがしなくもない。

2曲目の《アイル・ウェイト・アンド・プレイ》の内省的なピアノ・ソロはとても素晴らしいと思う。

(2003/12/26) 


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