GRANT'S FIRST STAND (Blue Note) |
| - Grant Green |
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Grant Green (g) "Baby Face" Willette (org) Ben Dixon (ds) 1961/01/28 |
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グラント・グリーンの初リーダー作だ。 “ブルーなギター”を弾きたいギタリスト諸氏は、しこしことスケール練習なんかをしないで、まずはこのアルバムのグリーンのフレーズをたくさんコピーして1音でも2音でも血肉化したほうが良いんじゃないかと思う。 それほど、シンプルながらも、説得力のあるフレーズが満載なのだ。 細かいニュアンスまでは真似られないかもしれないが、それでも矢鱈に難しいフレーズを多用せずとも、このようなシンプルながらも説得力を持ったフレーズはたくさんあるんだよ、ということぐらいは体感できるだろう。 『グランツ・ファースト・スタンド』は、グリーンのギターのみならず、ベイビー・フェイス・ウィレットのオルガンもおいしい具がたっぷり。彼のオルガンは、ピアニストならびにキーボーディストは、かなりの参考になると思う。 かく言う私も、このアルバムに合わせて、おいしいフレーズが出現すると、ベースで旋律をなぞって遊んだことがある。 このアルバムからエッセンスを吸収してやるぞ! と意気込みはしなかったが、ボーっとベースを抱きながら、ボボボン!と自分が弾けそうなフレーズを見つけてなぞってゆくと、結構楽しい。 もちろん、コピーしたフレーズを人前では弾いたことはないけれども(覚えていないだけだが……)、グリーンの奏でたいくつものオイシイフレーズは、自分の中での肥やしになってはいるのかなぁ?という感触はある。 それは、演奏面以上に、鑑賞面においても。 なんとはなしに、身体がグリーン体質になってしまっているのだ。 あの音色、あのフレーズ、あのノリ、あのくり返し……。 グリーンの演奏を耳にした途端、「く〜っ、いいねぇ!」と身体の芯が喜んでしまっている自分を発見する。 快活なテンポで始まる《ミス・アンズ・テンポ》。 オルガンの細やかなリズムの刻みも心地よい。この1曲目で掴みはバッチリ。 《木の葉の子守唄》。これもいいねぇ、リラックスしたムード、くつろぎのひと時。カツン!というドラムのリムショットが演奏を活気づけている。 3曲目のブルースは、最初のリフが出た瞬間、 「おー、きたーっ!待ってましたぁ!」な世界。 うん、この旋律、この音色ですよ、グリーンは! また、ベイビー・フェイスのオルガンのソロが面白い。 出だしは、ソニー・ロリンズのブルースナンバー《ソニー・ムーン・フォー・トゥ》で始まり、しばらくは、この曲をモチーフとしてアドリブを展開してゆくのだ。 じわじわと昂まってゆく演奏のボルテージには拍手! 水を得た魚のように、グリーンが伸び伸びとプレイをするマイナー・チューン《ベイビーズ・マイナー・ロープ》も秀演。 グリーンやウィレットが本質的に持つ歌心がよく出ている。 ただ、強いて難点を言えば、この演奏で、ちょっとドラマーのベン・ディクソンの“弱さ”がチラリと垣間見れてしまう。 彼のドラムは、軽やかにフロントをプッシュする躍動感があるにはある。しかし、いかんせん腰が座ってない軽さが散見され、局面によってはリズムが上滑りすることも。粘りが足りないのだ。 しかし、だからといって彼の持ち味が悪いというわけではなく、サクサクとした彼のノリはむしろ、この面子には正解だと思う。 エルヴィンタイプの粘り腰だったら、へヴィになり過ぎる。 ベンのサクサクッとあっさり薄味で、カコン!と小気味よくオカズを入れてくれるベンだったからこそ、コクはあるが、あっさり味の何度聴いてもオイシイ演奏に仕上がったのだと思う。 それが証拠に、一時期は、1日に7回以上聴くほどのへヴィローテーションだったこともあるが、まったく飽きることなく聴くことが出来た。 そして聴くたびに疲れるどころか元気になってゆく自分を発見する。 グリーン、ウィレットの柔らかいが腰のあるリズム感は、どうやら心の温泉のようなものなのかもしれない。 心のコリがほぐれ、エネルギーが静かにじわじわと沸き出てくるのだ。 |
| (2008/02/02) (加筆修正 2011/12/02) |
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