CONCERT BY THE SEA (Columbia) |
| - Eroll Garner |
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Erroll Garner (p) Eddie Calhoun (b) Denzil Best (ds) 1955/09/19 Live in Carmel,California |
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このアルバムを最初から最後まで聴き通せば、「満腹状態」になれること請け合い。 決して悪い意味で言っているわけではなく、「最初から最後まで一瞬の退屈をする間もなく楽しめた」という充実感が全身に染み渡るといった意味での「満腹感」だ。 とにかく、最初の一音から、最後の聴衆のどよめきまで、退屈する瞬間のまったく無いといっても過言ではないほどの内容と構成だ。 なにせ、私が学生の頃は、新潟のスワンというジャズ喫茶で大音量で聴いた際は、内容のあまりの充実っぷりに、他に客がいないことを良いことに、調子に乗って「このままB面もお願いします」と頼んでしまったほどなのだから。 エロール・ガーナーは、美しいメロディで有名な《ミスティ》の作曲者で有名なピアニストだ。このアルバムには《ミスティ》は入っていないが、そんなことを補って余るぐらいの素晴らしい演奏の連続、連続、連続だ。 彼のピアノは、本当にノリが良い。 圧倒的なドライブ感で聴き手を圧倒する。 このガーナーの「ドライブ感」の秘密は、右手と左手の本当に微妙なタイミングの違いによるところが大きい。 「ビハインド・ザ・ビート」と呼ばれている彼の「癖」。 右手が奏でるメロディに対して、伴奏をつける左手の和音を弾くタイミングが、ほんの少しだけ遅れ気味なのが特徴だ。 結果、タメを効かせた左手の伴奏が、演奏に躍動感を与えているのだ。 これは、彼が左利きだということも大きい。利き腕が伴奏をしているだけあって、余裕をもってリズムにタメを効かせられるのだろう。 ちなみに、レッド・ガーランドも左利きのピアニストだ。 ピアノのスタイルこそ違えど、私はガーナーからも、ガーランドからも共通したノリを感じる。 もっともノリの度合いは、ガーナーのほうが大きく、ガーランドのほうが小振りで洒落てはいるが。 それにしても、最初から最後まで無理なく、グイグイと聴く者を魅了するアルバムも珍しい。 出だしの《四月の思い出》から、エンジン全開で疾走開始。 このアルバムの演奏のほとんどに言えるのだが、音量の強弱の付け方が、大袈裟なほどのメリハリを効かせているので、曲の展開が単調にならずに、ドラマティックに演奏が展開してゆく。 特に個人的には《マンボ・カーメル》が大好きな演奏だが、この曲もメリハリの付き具合の効いた楽しい演奏だ。 ゴツゴツしたリズムのAメロに、流麗なサビ。この対比と緩急がたまらなく気持ちが良い。 《枯葉》は、かなりコテコテでベタなドラマティックな演奏だが、まるでピアノという一台の楽器をフルに駆使して、オーケストラ並に壮大なストーリーを語っているようだ。 《パリの四月》も《枯葉》と同様に、叙情的な演奏で、思わず引き込まれてしまう。 また、《イッツ・オールライト・ウィズ・ミー》の急速調テンポの抜群のドライブ感で迫力がある。 叙情的な演奏から、急速テンポでドライブする演奏まで、ガーナーはこちらを全く飽きさせることなく弾き続けている。 ラストにダミ声のMCがある。 ルイ・アームストロングのダミ 声を真似ながら、「ワーサー・ザン・ルイ・アームストロング(ルイ・アームス トロングよりは悪かったよ)」。 おそらく、その時のコンサートの「出来」のことを言っているのだろうが、聴衆のドッと沸く笑い声が、このコンサートの盛り上がりと、満足度を伝えているかのようだ。 きっと、ガーナー自身も観客もご満悦で、満足な内容のステージだったのだろう。 そしてこれを聴く我々も、いつしかコンサートの客の一員になれたような気分になれること請け合いだ。 |
| (2002/08/14) |
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