WHEN FARMER MET GRYCE (Prestige) |
| - Art Farmer |
|
|
Art Farmer (tp) Gigi Gryce (as) Horace Silver (p) #1-4 Freddie Redd (p) #5-8 Percy Heath (b) #1-4 Addison Farmer (b) #5-8 Kenny Clarke (ds) #1-4 Art Taylor (ds) #5-8 1954/05/19 #1-4 1955/05/26 #5-8 |
|
|
|
地味ながらも、クオリティの高い演奏ゆえ、いったん聴きはじめると、結局最後まで聴きとおしてしまう。 つまり、フェイクやインパクトに訴えかけずとも、こちらの耳を引きつけてやまないということは、相当クオリティの高い演奏がなされているということだ。 アート・ファーマーもジジ・グライスも決して派手なタイプのプレイヤーではない。少なくとも、大事なことを大声でわめきたてるような野暮はしない。 そのかわり、二人とも口調は穏やかだが、要点を抑えた的確な表現をする大人の男だ。 知性派同士のコンビと評されることもあるが、演奏自体は、決して頭デッカチではない。むしろ、ハート・ウォーム。 よって、落ち着いた気分で聴けると思う。 収録曲は、全曲グライスの手により、作・編曲されている。 派手なナンバーは無いし、むしろ小粒な曲とアレンジが多いが、そのかわり、何度聴いても飽きない完成度だ。 噛めば噛むほど味が出るスルメのような曲ばかり。 プレイの面においても、この二人は相性が良い。 ファーマーもグライスも、リズムへの乗り方が、かなりイーブンだ。均等に、流れるよう、スムースに吹く。 二人のタイム感が一致しているのだ。 さらには、この二人は、エモーショナル過ぎる熱いプレイを好まない。演奏に臨む美意識もかなりのところで一致しているのではないか。 二人のタイム感覚と美意識の一致ゆえに、破綻のまったく無い、あっさり目だが、味わいのある上品なテイストを生み出しているのだ。 54年のレコーディングでは、ホレス・シルヴァー、パーシー・ヒース、ケニー・クラークのトリオがバックを勤め、翌年のセッションではフレディ・レッド、アディソン・ファーマー、アート・テイラーによるトリオがバックを勤めている。 バックのリズムセクションが変わったからといって、演奏の雰囲気がガラリと変わっているわけではないのだが、面白いことにアルバム前半、ホレス・シルヴァーがピアノを担当した演奏を聴くと、ファーマーのアドリブのフレーズの一部がホレス的な箇所が顔を出すところが面白い。 特に2曲目の《ブルー・コンセプト》に、それが顕著だ。 フレーズのみならずノリの部分もそうで、いつもは落ちついた2人のプレイも、ホレスの《オパス・デ・ファンク》的なヒョコヒョコしたノリに煽られ、思わずファーマーもグライスも、アドリブのノリがヒョコヒョコと楽しげなノリに様変わりしているところに注目。 派手さとは無縁の内容ゆえ、意識を集中させて聴かないと、耳をスルーしてしまいそうな演奏かもしれないが、じっくり聴くと、このような発見があって面白い。 まだまだ、演奏者同士の細やかな交感が隠されているに違いない。 いずれにしても、ファーマーとグライス。互いにとって、息の合う良きパートナーによって残された傑作には違いなく、じっくりと長い時間をかけて付き合って欲しいアルバムだ。 |
| (2004/07/18) (加筆修正 2010/01/20) |
|
|
|
|
All Rights Reserved. |