WORKIN' (Prestige) |
| - Miles Davis |
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Miles Davis (tp) except #6 John Coltrane (ts) except #6 Red Garland (p) Paul Chambers (b) Philly Joe Jones (ds) 1956/05/11 #1-6,8 1956/10/26 #7 |
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工事現場に視察にやってきた、ゼネコン本社勤務のマイルス部長代理が、現場で煙草を一服。 休憩しながら、「ふーっ、久々のゲンバだよ」。 そんな感じの、なーんだか地味なジャケットではあるが、内容は素晴らしい。 ドンくさいジャケットイメージを、冒頭の《イット・ネヴァー・エンタード・マイ・マインド》のレッド・ガーランドによるイントロ数音が粉砕する。 なんて美しい。 続いて、マイルスのきめ細かく鋭いミュートトランペットが出てくれば、「あれ、これって違うアルバムのジャケットなんじゃない?」と初めてこのアルバムを聴く人は感じるかもしれない。 それだけ、ジャケットと音の美しさにギャップのあるアルバムなのだ。 とはいえ、冒頭の《イット・ネヴァー・エンタード・マイ・マインド》は、まだまだ序の口。個人的には、ブルーノート版のマイルスの同曲のほうが、まだ心温まる。 こちらのピアノのイントロは、ガーランドによる下降アルペジオ。 一方、私がフェイヴァリットなブルーノートのバージョンは、ホレス・シルヴァーによる上昇アルペジオ。 それぞれ、違いはあるが、両方とも素晴らしい。 どちらも好きか、まぁ、これは好みの問題でしょうね。 たしかに、ブルーノート盤の後に、こちらのプレスティッジ盤の《イット・ネヴァー・エンタード・マイ・マインド》のマイルスの吹奏を聴けば、バラード表現は格段に巧くなったな、とため息が漏れる。 繊細なニュアンス、タメ、節回し。 7割の力で余裕で、深いプレイをしているマイルスは、ニクらしいほど大人な表現を見せる。一方、ブルーノートのほうは、これに比べると、稚拙な感は否めないが、胸を打つひたむきさを感じられる。 表現の巧みさをとるか、味をとるか。 ここでもリスナーの好みや、思い入れで左右されると思う。 ま、いずれにせよ、どちらの《イット・ネヴァー・エンタード・マイ・マインド》も甲乙つけがたい演奏なことは確かだ。 それにしても、この『ワーキン』、アルバム最初にバラードを配する意表を突いた編集は素晴らしい。 躍動感溢れる《フォア》に、曲の旨みをあっさりと引き出し、へぇ、こんなに素晴らしい曲だったっけ?と思わせるほどの《イン・ユア・オウン・スウィート・ウェイ》。 これらも、うーん、素晴らしい。こなれている印象。バンドとしてのアンサンブルがビシッとまとまり余裕綽々の演奏だ。 それもそのはず、レコーディング当時のマイルスのグループは、日夜これらの演奏をライブで繰り広げていたのだからね。 CDだとニュアンスや意図が伝わりにくいかもしれないけれども、レコードだとA面、B面の最後に、当時のマイルス・クインテットのテーマ曲の《テーマ》を配する心憎さ。 さらに、『マイルストーン』の《ビリー・ボーイ》よろしく、管楽器はお休み、レッド・ガーランドをフィーチャーしたピアノトリオの《アーマッド・ブルース》を配する流れの緩急。 演奏も素晴らしいが、編集も素晴らしいアルバムでもあるのだ。 ジャケットも垢抜けていたら、言うことなかったのにね……(笑)。それとも、これほどの完成度、音楽としてのまとまりに対して、センスの良いジャケットの組み合わせになると、イヤミになり過ぎてしまうか。 |
| (2008/02/13) |
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