TAKE TEN (RCA) |
| - Paul Desmond |
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Paul Desmond (as) Jim Hall (g) Gene Cherico (b) #2-8 Gene Wright (b) #1 Connie Kay (ds) 1963/06/05 #8 06/12 #3 06/25 #1 07/10 #5,7 07/14 #2,4,6 |
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参加していないデイヴ・ブルーベックの存在感が光る。 いや、参加してないから光ってはいないけれども、少なくとも、いないはずのブルーベックの存在が妙に気になる演奏ではある。 特に1曲目の《テイク・テン》。 いかにデスモンドとブルーベックとの相性が絶妙だったかを物語る演奏なのだ。 《テイク・テン》は、《テイク・ファイヴ》のメロディを裏返しにしたような曲だ。 ま、作曲者が同じポール・デスモンドということもあるけれど。 ブルーベックのゴツゴツしたピアノが、ジム・ホールのギターに変わっただけで、なんとソフトでスムースになることか。 しかも、聴こえないはずのブルーベックのピアノも《テイク・ファイヴ》の伴奏がよっぽど印象的なのだろう、耳の奥で響き始めるのだ。 いかにブルーベックというピアニストが際立った特徴を持ち、耳に残るスタイルの持ち主だったかということが、参加していない音源から想起させるところが面白い。 羽のように軽やかなデスモンドのアルトの音色とプレイ。だからこそ、ブルーベックのゴツゴツとしたスタイルが合っていたのだなということが分かる。 これが録音された時点では、すでにブルーベックとデスモンドとのコンビは解消されていたようだが、トムとジェリーのように、アボットとコステロのように、藤子不二夫のように(しつこい?)キャラクターがまったく違うがゆえに、特徴的ある個性を生み出した絶妙なコンビだったことには間違いない。 と、ブルーベックのことばかりを書いているが、もちろん、ギターのジム・ホールも趣味の良いプレイをしている。 RCAにおけるデスモンドの録音を見ると、『デスモンド・ブルー』、『イージー・リヴィング』、『グラッド・トゥ・ビー・アンハッピー』、『ボッサ・アンティグア』などと、ほとんどの録音にジム・ホールが参加していることから、デスモンドはよほどジム・ホールのことをよき相棒として信頼していたのだろう。 ゴツゴツとしたブルーベックとは対極なスタイルの流麗なジム・ホールを選ぶところが両極端で面白いが、「もう年だから、ゴツゴツと背中でピアノを弾かれるのは疲れるからヤだもんね」と思ったのだろうか。 それにしても、ジム・ホールの演奏の流れを邪魔することなしに、ツボを抑えたギターは、デスモンドの羽のようにフワリと軽いアルトを、さらに心地よく、絹のような肌触りにまで高めている。 この感触は気持ちいい。 趣味の良いイージーリスニングと言うと、ちょっと安っぽい喩えかもしれないが、軽い気分で聞き流せるイージー・リスニングにもなるし、じっくりと聴けば聴いたで、こちらの期待に充分に応えてくれるクオリティの高い演奏内容だ。 そういった意味では、上品に軽やかで、なおかつ聴かせる内容を誇る《オルフェのサンバ》がこのアルバムのベストトラックだと思う。 |
| (2004/06/22) |
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