THE NEW MILES DAVIS QUINTET (Prestige) |
| - Miles Davis |
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Miles Davis (tp) John Coltrane (ts) Red Garland (p) Paul Chambers (b) Philly Joe Jones (ds) 1955/11/16 |
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「小川のマイルス」という俗称で親しまれているアルバムだ。 確かに『ザ・ニュー・マイルス・デイヴィス・クインテット』というよりも、全体が濃い水色の川の写真に、白抜きの“MILES”という文字が中央に大きく陣取っているジャケットと言ったほうが、イメージが湧きやすいかもしれない。 何気ないアルバムなんだけども、そして、マイルスの音楽史の中では忘れ去られがちな地味なアルバムではあるけれども、味わいはある。 たとえば、1曲目のエリントン作曲の《ジャスト・スクィーズ・ミー》。 ミュートをかけて丁寧に歌うマイルスのプレイと、遅めのリズムがほんわかとした気分にさせてくれる。 たとえば、コルトレーンの抜けたカルテットで演奏される《ノー・グレイター・ラヴ》におけるマイルスのバラード表現、そして、ガーランドのブロックコードを使った素晴らしいソロ。 たとえば、鋭いミュートプレイを聞かせてくれる、急速テンポの《スポージン》。 たとえば、ベニー・ゴルソンの名曲の魅力をを過不足なく引き出している《ステイブルメイツ》の演奏。 ……などなど、聴き所は随所にある。 ある、のだが……。 なんとなく、他のマイルスの諸作と比較すると、ゆる〜い感じは否めない。 同じプレスティッジの録音でも、『クッキン』をはじめとした“4部作”や、同時期に既にCBSに録音していた『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』の演奏に共通して貫かれている“ピリッ”とした禁欲的なムードが無いのだ。 ま、別に無くてもいいんだけど。 悪く言えば、マイルスにしては“締まりの足りない”演奏とも言えるが、よく言えば、この“ユルさ加減”が、とても心地よい演奏とも言える。 音楽的コンセプションといったようなことなど何も考えずに、ただひたすらマイルスの繊細なトランペットの音そのものを楽しむには、うってつけのアルバムだと思う。 ついでに、ガーランドのピアノも。 マイルスのアルバムが20枚ぐらい貯まってきた初心者の方は、ざっとライブラリーを見渡してみよう。 雑誌やガイド本で取り上げられている“名盤”や“問題作”が多くを占めていないだろうか? たしかに、マイルスの「よっしゃ、誰もやったことのない新しいことをやったるぜ!」と気合の入ったアルバムは素晴らしいし、この意気込みで出てきたサウンドこそ“マイルスらしさ”なのだと思う。 しかし、たまには、力を抜いて、腹“七”分目のマイルスも悪くはない。 気負いのない、普段着姿のマイルス。 イノベーターとしてではなく、“いちトランペット吹き”のマイルス。 そんな彼の姿も味わってみたいと思う方は、是非、21枚目には、是非「小川のマイルス」をどうぞ。 |
| (2003/06/30) |
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