THE ERIC DOLPHY MEMORIAL ALBUM (Vee Jay) |
| - Eric Dolphy |
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Eric Dolphy (as,bcl,fl) Woody Shaw (tp) #1 Prince Lasha (fl) #2 Clifford Jordan (ss) #2 Huey Simmons (as) #2 Bobby Hutcherson (vib) #1 Eddie Kahan (b) #1 Richard Davis (b) #2,3 J.C.Moses (ds) #1 1963/05〜06月 |
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エリック・ドルフィーには、2枚の『メモリアル・アルバム』がある。 有名なほうは、ブッカー・リトル(tp)との双頭コンボで出演した、ファイヴ・スポットでのライブ盤のほう。 《ブッカーズ・ワルツ》の名演で有名ですよね。 今回紹介するのは、もう1枚の盤のほう。 前者が比較的初心者にも親しみやすい内容だとすれば、こちらはマニア向き。……なんじゃないかと思う。 こちらのほうの“メモリアル”は、ドルフィーという特異な才能が浮き彫りにされている内容なんじゃないかと思う。 特にアルバム収録4曲中、後半の2曲が濃い。深い。 リチャード・デイヴィスとのデュオの《アローン・トゥゲザー》は、ひたすら深く美しい。 この1曲を聴くだけでも、『メモリアル・アルバム』の存在価値はあろうというもの。 いや、もう1曲あった。 アルトサックス1本、彼の研ぎ澄まされたソロ《ラヴ・ミー》も脳味噌の前頭前野を刺激してやまない演奏だ。 この後半の2つの演奏が、“もう1つのメモリアルアルバム”の目玉だ。 特に《ラヴ・ミー》のアルトソロは、ドルフィーの想像力と創造力が限界にまで飛翔する。 聴き手は、ドルフィーの美しいアルトサックスに陶酔するのみ。 そして、後に残るのは透明な感動と不思議な余韻。 シャープに飛翔するこのドルフィーのアルトサックスを聴くと、 「きっと阿部薫は、こういうふうになりたかったんだろうなぁ」 と思う。 阿部のアルトサックスは、ドルフィーへの憧れか、対抗意識か、さらに?き出しになった生々しさと禍々しさを感じさせるが、彼自身、このドルフィーのような重力から解放された飛翔感と、空気抵抗の干渉を受けない自由なスピード感を手に入れたかったのだろう。 軽々と吹きこなし、精神的な重たい余剰物を一切感じさせない透明なドルフィーのアルトと、ひたすら腕力で重力を捻じ伏せようと苦闘する阿部のアルトは、結果的に音の肌触りはまったく異なるものではある。 しかし、このドルフィーのソロプレイを聴けば、阿部薫のアルトにもよりいっそう親近感が湧いてくるかもしれない。 昔、中村あゆみの《翼の折れたエンジェル》という歌があったが、2本の翼で天空を駆ける天使がドルフィーだとすると、阿部のアルトは、まさに翼の折れた天使の悲痛な叫びなのかもしれない。 そこにシンパシーを抱くか、抱かないかでリスナーの価値観、大袈裟に言えば人生感までが分かってしまうかもしれないが、私は阿部のアルトも嫌いではない。 『もう1つのメモリアルバム』は、ドルフィーを楽しめ、なおかつ阿部薫理解の手助けになるかもしれないという、興味深い1枚でもあるのだ。 前半の2曲は、どうなのかというと、こちらのほうが親しみやすい演奏だと思う。特に、ファッツ・ウォーラーの《ジターバグ・ワルツ》は楽しく賑やかで聴きやすい。 しかし、そこはかとなく不気味カワイイところもあるので、聴くたびにニヤニヤしています。 |
| (2008/05/14) (加筆修正 2009/11/14) |
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