以前、私の番組にゲスト出演した矢野沙織さんが『グレイヴィ・トレイン』のジャケットを見てこう言った。
「この時代のジャケットって反則ですよね。こんな写真、撮りっぱなしじゃないですか?(笑) ちょっと凄いですよね。この時代の人は。ただ撮っただけの写真でも絵になってしまう(笑)」
そう、たしかにこのジャケ写のルーさんは、ちょっとオマヌケな顔でホットドッグを頬張っているだけ。
おそらく道端でホットドッグにパクついているときに、突然カメラマンから
「ヘイ、ミスター・ルー!」
とかなんとか声をかけられて、カメラ目線も定まらないうちに「パシャッ!」と撮られたのだろう。
よそいきなオフィシャル顔じゃない、限りなくオマヌケに近い表情の写真がそのままジャケットとして使われてしまっている感じ(笑)。
しかし、矢野さん仰る通り、サマになっているところが凄い。
このアルバムのタイトル曲は矢野沙織さんお気に入りのナンバーということで番組でもかけたナンバーだが、ゴキゲンなルー節、ルー流ブルースを楽しめるナンバーだ。
青の『ブルース・ウォーク』に、
赤の『グレイヴィー・トレイン』。
数研出版が出している老舗の数学参考書の「チャート式」には、「青版」と「赤版」とあるが、『ブルース・ウォーク』や『グレイヴィー・トレイン』も、フォーマットや漂う香りからも両者は兄弟的な関係のアルバムだと勝手に思っている。
この2枚は、ノリにのったドナルドソンのプレイをあますことなく捉えた1枚だ。
とくに、ピアノのハーマン・フォスターとルー・ドナルドソンの相性はバッチリで、陽気なんだけれども、そこはかとなくブルーな哀愁感が、この2人がコンビを組むと、ナチュラルに醸し出る。
この「赤」のほうの『グレイヴィ―・トレイン』は、ズンズン・リズムが力強いオリジナルナンバーも良いが、《国境の南》《ポルカ・ドッツ・アンド・ムーンビームス》など、スタンダーのプレイも秀逸。
スイートな楽曲《キャンディ》をスイートに歌うルーさんのアルトサックスも素敵です。
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