EVERYTHING I LOVE (Steeple Chase) |
| - Kenny Drew |
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Kenny Drew (p) 1973/10月,12月 Recorded in Copenhagen |
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ヨーロッパに移ってからのドリューのピアノには、エレガントさが加わったと思う。 バド・パウエルのコピーから出発したドリューのピアノ、アメリカにいるときは、まるでパウエルを彷彿とさせるような乾いた硬派なタッチが魅力のピアニストだった。 ドライブ感と乾いたタッチ、そして晩年まで一貫していた“嫌味に感じない、心地よい饒舌さ”。 しかし、ヨーロッパに渡り、スティープル・チェイスに録音された一連のピアノを聴いていると、たとえばブルーノートやリヴァーサイド吹き込みで顕著だった前のめりなピアノの勢いが少し後ろに引いた感じとなり、ゴリゴリさは希薄になったかわりに、潤いが加わったような気がする。 ヨーロッパでの生活が、彼に心境にどう影響したのかはわからないが、少なくとも環境と生活の変化が、彼のスタイルに微妙な変化を及ぼしたことは想像に難くない。 ドリューは、1961年、麻薬問題を取り上げた『ザ・コネクション』という劇の伴奏の一員としてヨーロッパに渡り、パリ公演の後、そのままパリに残った。ジャズクラブ「ブルーノート」のハウスピアニストとなったことがヨーロッパに残ることになったキッカケ。 ジャズを芸術として認めてくれるヨーロッパの空気のほうが、本国のアメリカでの活動よりもドリューに合っていたのだろう。 良い意味で、創作意欲が湧き、心に余裕が生まれてきたのではないだろうか。 『エヴリシング・アイ・ラヴ』のドリューのソロピアノを聴く度にそう思う。 すごくデリケートで美しい、水分と情緒を多く含んだ演奏だ。 当時の奥さんにささげた曲《マリアンの肖像》、ベーシストでヨーロッパの地では良き相棒となったニールス・ペデルセンにささげた《ブルース・フォー・ニールス》など、スタンダードのほかにも、彼自身によるオリジナルも多く吹き込まれている。 クリアで詩的なピアノの中に漂う一抹の寂寥感もたまらない。 澄んだ北欧の空気を彷彿とさせる、デリケートでひたすら美しいソロアルバムだ。 |
| (2003/04/14) |
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