DARK MAGUS (Columbia) |
| - Miles Davis |
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Miles Davis (tp,org) Dave Leabman (ss,fl) Azar Lawrence (ts) Pete Cosey (el-g,per) Dominique Gaumont (el-g) Reggie Lucas (g) Michael Henderson (elb) Al Foster (ds) Mtume (per) 1974/03/30 |
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『ダーク・メイガス』の邪道聴きを提案。 題して、「下町にダーク・メイガス」。 私が住んでいるところは、東京の下町なんだけれども、夕方になるとアーケード天井などない、狭い商店街がにぎわい、焼き鳥の煙とか、もんじゃ焼きのソースの匂いで満たされるんですね。 部活帰りの中高生とか、立ち話しをているオバちゃんとかで道がほどよく満たされます。 自転車は徐行運転。たまにやってくる車はとても通りにくそう。 なーんかイイ雰囲気です。 とくに、もんじゃの匂いが、懐かしさを誘います。 もっとも、私、もんじゃ焼きはあまり食べないですが……。 で、もんじゃにひっかけるわけではないんですけど、マイルス・デイヴィスの『ダーク・メイガス』には、《モジャ》というタイトルの曲がありまして、これがまた、かなーり激しい演奏なんですが、これを聴きながら、夕暮れ時のもんじゃの匂いが漂う下町商店街を歩くと、非常にイイ感じなんですよ。 景色が変わってみえる。 和やかな雰囲気に、意味のようなものが生まれてくる。 その日の気分で解釈が変わってくるんだけれども、 「この平和は今日までだぞ」 とか、 「この人ごみの中にスパイが潜んでいる」 とか、 「焼き鳥を食べているおっさんを狙うスナイパーの目に映る風景」 とか、 「夕焼けの中に、メトロン星人が巨大化する」 などなど、くだらない妄想が働きまくるんですよ。 なんか、平和な雰囲気とは裏腹の、なんだか、いやぁ〜な雰囲気。 煙る焼き鳥ともんじゃの匂いの中にも、不穏で邪悪な影が潜んでいるぞ。こんな雰囲気に一変するのです。 マイルス・デイヴィスの最高傑作に『パンゲア』を挙げる人は多いです。 私も異論はありません。 『パンゲア』のほうが、『ダーク・メイガス』よりも音楽的な完成度は高いと思います。 しかし、邪悪さ、暴走加減、凶暴さ、破壊的なキレ加減は、『ダーク・メイガス』のほうが、圧倒的に上回っていると感じます。 特に『パンゲア』ではサックスがソニー・フォーチューンですが、『ダーク・メイガス』のサックス担当はデイヴ・リーブマンというところがヤバい(笑)。 フォーチュンもリーブマンも優れたサックス奏者ではありますが、柔軟性のあるフォーチュンに対して、リーブマンは思い込んだら命がけな集中力と密度があります。 ヤクザの世界でいえば、マイルスがオヤジさん(=組長)だとすれば、リーブマンの勢いと激しさは、まさに鉄砲玉的なヤバさ。 命を捨てて突進してゆくヤバい気迫にみなぎっています。 このリーブマンを筆頭に、なんだか皆ヤバい(笑)。 全員なにかに取りつかれて、わけもわからず猪突猛進している。そんなサウンドが『ダーク・メイガス』。 それに比べると、『パンゲア』のほうは、もっと頭良さげというか、構成力にも長けており、音楽としての完成度ははるかに『ダーク・メイガス』を上回ります。 どちらが好きかと問われると、どちらもそれぞれの良さがあるので、それこそ、その日の気分と体調とシチュエーション次第なんですが、場所が東京の下町で、もんじゃ焼きのソースの匂いが漂ってくる商店街であれば、私はだんぜん『ダーク・メイガス』ですね。 『ダーク・メイガス』を聴いて、ハードコアパンクやデスメタルを聴かなくなった後輩もいるんだけれども、分かるような気もします。 音の激しさだけではなく、そこから漂ってくる邪悪なマインド、ウネりのようなものは、この時期のマイルスの音楽には封じ込められていますからね。 よく分からないけど、なんだかヤバい雰囲気を湛えたものがお好きな人、トリップがお好きな人には『ダーク・メイガス』は、うってつけの脳内麻薬発生音源なことには違いありません。 プリーズ・大音量! |
| (2009/12/13) |
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