BLACK BEAUTY (Columbia) |
| - Miles Davis |
Disc 1
Disc 2
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Miles Davis (tp) Steve Grossman (ss) Chick Corea (el-p) Dave Holland (b) Jack DeJohnette (ds) Airto Moreira (per) 1970/04/10 |
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世評では、同時期のマイルス・デイヴィスのライブ盤は、このアルバムではなく、キース・ジャレットが加わった“ダブル鍵盤”態勢の『ライブ・アット・フィルモア』の評価のほうが圧倒的に高い。 たしかに、ライブのオイシイ局面だけを編集、つなぎ合わせた『フィルモア』は、お手軽にオイシイ箇所を楽しめる。 テオ・マセロによる巧みなテープ編集の賜物。聴いていても中弛みのまったくない内容だ。 それに比べ、この『ブラック・ビューティ』はというと、編集なしのライブ音源。 つまり、ライブのオイシイ箇所、オイシクない箇所も時間軸にそって、我々リスナーが追体験するわけだ。 だから、このサンフランシスコのフィルモア・ウェストで1970年の4月に演奏されたライブ音源は、長尺演奏ゆえ、よっぽど注意深く聴いていないと、途中のいくつかで中ダルミしてしまうことは否めない。 しかしながら、ライブ冒頭の迫力には圧倒されること必至。 猛り狂った凶暴なチック・コリアのエレピ。 半径2〜3mに近寄った者に対しては、容赦なく噛み付き、息の根を止めかねない獰猛な肉食動物を連想させる。 こんなに攻撃的なチックを聞けるのは、マイルスとの共演しているときのみ。 たとえば、『1969マイルス』のときのチックも凄まじい。 ソロ活動では一時期前衛っぽいアプローチも行っていたチックだが、音そのものは過激かもしれないが、マイルスとやっているときほど狂ったような獰猛さは無い。 それだけ、マイルスには共演者をドーピングし、猛り狂わせるだけのオーラがあったのかもしれない。 あるいは、共演者のマインドをギリギリにまで追い詰め、窮鼠猫を噛むほど後の無い状態にまで追い詰めるほどの、切羽詰まった状況を作り出すのがうまかったのかもしれない。 スティーヴ・グロスマンの吼えるサックスも魅力だが、このアルバムは、演奏開始の《ディレクションズ》における凶暴なチックのエレピ一発で聴きたい。 これを聴けば掴みは充分。 たしかに、演奏自体は『フィルモア』ほど凝縮された濃度は臨めないかもしれないが、普段のマイルスのライブはこんな感じだったんだよ、ということを知るには貴重なドキュメントなのだ。 シャープで攻撃力の高い局面を探し、味わい尽くしてみよう。
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