BIRTH OF THE COOL (Capitol) |
| - Miles Davis |
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Miles Davis (tp) Kai Winding (tb) #1,2,5,7 J.J.Johnson (tb) #3,4,6,8,9,10,11,12 Junior Collins (french horn) #1,5,7 Sandy Siegelstein (french horn) #4,8,10,11 Gunther Schuller (french horn) #3,6,9,12 John Barber (tuba) Lee Konitz (as) Gerry Mulligan (bs) Al Haig (p) #1,2,5,7 John Lewis (p) #4,8,10,11 Joe Shulman (b) #1,2,5,7 Nelson Boyd (b) #4,8,10,11 Al McKibbon (b) #3,6,9,12 Max Roach (ds) #1,2,3,5,6,7,9,12 Kenny Clarke (ds) #4,8,10,11 Kenny Hagood (vo) #12 1949/01/21 #1,2,5,7 1949/04/22 #4,8,10,11 1950/03/09 #3,6,9,12 |
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歴史に残る名盤の1枚としてカウントされる一方で、 「なかなか印象に残らない」、 「これらの演奏のどこがいいの?」 という声も多いアルバムではある。 私は、1曲目の《ムーヴ》のキャッチーなメロディの虜になりながら、聴き進んでいったため、自分の中でのツカミは悪くなかったとは思うが、それでも中盤の《ムーン・ドリームス》あたりのスローな曲になると、いかにもギル・エヴァンス!と感じる重層的な響きの虜になりつつも、ことアドリブパートにおいては、各人のプレイの印象が残らないというのも正直なところだ。 マイルスのトランペットは、重く深い。 慎重に音を選び抜き、ニュアンスをこめて鉛のような一音一音を放っている。 彼のトランペットはすでに、この時期から彼の音色は独特だ。 そして、私はブルーノートのマイルスやパリフェスティヴァルのマイルスとともに、この時期のマイルスのミュートをつけない重たいラッパを深く愛する者だ。 一般には、ミュートのプレイに定評のあるマイルスだが、ミュートを外した彼のラッパの音色も、なんともいえぬダークな深みがある。 だからなのだろうか、ギルは、マイルスのこの独特な鉛色のラッパの音色と、バックのホーン陣の調和を意識してアレンジしたのだろう。マイルスの音色が、バックのサウンドとキレイに溶け合っているアンサンブルが印象に残る。 キレイに溶け合っている。 だからこそ、キチンと聴かないと、耳の右から左へと心地よく通り過ぎていってしまうのかもしれない。 そう、このノネット編成の管楽器アンサンブルは、重層的だが、滑らかに流動した心地よさがあるのだ。 この不思議でクリーミーな音のハーモニーの中に、マイルスのトランペットは埋没することこそ無いものの、浮き立っているというわけでもない。バックのハーモニーはマイルスを引き立てるというよりも、マイルス自身もそのハーモニーの一構成要員となっているかのごとくだ。 だからこそ、マイルスのアドリブは、あまり印象に残らないのかもしれないし、「どれも同じに聞こえる」という声があっても不思議だとは私は思わないのだ。 特筆すべきは、リー・コニッツだろう。 《イスラエル》や《ルージュ》での斬れ味鋭いコニッツのアルトサックスは新鮮で、彼の音色が飛び出るたびにハッとする私。 管楽器のハーモニーの中から冷ややかな一撃を食らわせているところはさすがだし、この存在感、お見事! そして、他の管楽器郡の中から浮かびあがる彼のアルトサックスのヒンヤリとした音色はどうだ。音色だけでも、独特な個性を持っていたリー・コニッツ。年を経るごとに、ぶわっとした締まりの無い音になってゆく彼だが、この時期の引き締まった音色の素晴らしさには特筆すべきものがある。 マイルスはコニッツを雇ったことにより周囲から、なぜ白人を使ったのか? と揶揄されたそうだが、「プレイが素晴らしければ、肌の色が赤だろうが緑色だろうがオレは雇うぜ」と切り替えしたそうだ。 たしかに、ここでのコニッツのプレイと音色を聴くだけでも、マイルスの気持ちはよく分かる。コニッツこそ、当時のマイルスのコンセプトには無くてはならない唯一無二の逸材だったのだ。 ジャズ名盤ガイドを見て、『クールの誕生』を買ったものの、数回聴いただけで、CD棚でホコリをかぶせている人も多いのでは? そういう人は、今度は、アレンジやマイルスではなく、コニッツのプレイに耳をフォーカスさせて、再度トライしてみよう。 |
| (2006/04/12) |
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