LD+3 (Blue Note) |
| - Lou Donaldson with The Three Sounds |
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Lou Donaldson (as) Gene Harris (p) Andrew Simpkins (b) Bill Dowdy (ds) 1959/02/18 |
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『LD+3』という短いタイトルのこのアルバム。 LDとは、アルトサックス奏者のルー・ドナルドソンの略で、レーザー・ディスクの略ではない(つまらなかったですね、スイマセン)。 「+3」は、ルードナのバックにピアノトリオ(3人)がプラスされており、そのピアノトリオは、ピアニストのジーン・ハリス率いる「ザ・スリー・サウンズ」だから。 つまり、「LD+3」とは「ルー・ドナルドソン+スリー・サウンズ」ということだ。 アート・ブレイキー&ザ・ジャズメッセンジャーズの『モーニン』や、ホレス・シルヴァーのファンキーテイストのアルバムのヒットにより、ファンキー・ジャズ路線の拡大を狙ったブルーノート主導の企画によって『LD+3』は録音された。 ルー・ドナルドソンは、盲目のピアニスト、ハーマン・フォスターと組んだファンキー・ジャズ色の強い『ブルース・ウォーク』が好評を博していたアルトサックス奏者。 一方、スリー・サウンズも、当時のファンキージャズの第一人者、ホレス・シルヴァーに発見され、ブルーノートに紹介された経緯のあるグループなことからも分かるとおり、ファンキー・テイストの演奏は折紙付きのピアノトリオだ。 よって、ファンキーな彼らを共演させれば、良質なファンキー・ジャズが生まれるだろうと、ブルーノートの社長、アルフレッド・ライオンは目論んだのだろう。 ところが、ところが。 結果的には、良い意味でファンキー色の薄い、良質なワンホーン・カルテットのジャズに仕上がってしまった。 明快かつストレートな演奏ではあるが、ファンキー・ジャズ特有の「後に引く甘さ」は極力抑えられた内容に仕上がったのは、ライオンにとっては目論見失敗だったのか、それとも、嬉しい誤算だったのか。 オープニングの《スリー・リトル・ワーズ》の勢い溢れる演奏からも分かるとおり、彼らの演奏は、適度な緊張感を帯びたスリリングなものとなっている。 アーシーで粘っこい要素が薄れ、あっさりテイストの仕上がりになったぶんだけ、何度聴いても飽きることのない良質なアルバムが誕生したのだ。 これはスリー・サウンズの演奏におけるさじ加減の賜物かもしれない。 スリー・サウンズといえば、ジーン・ハリスの甘口で分かりやすいピアノの語り口が人気のピアノトリオだが、彼らはもともと「フォー・サウンズ」だった。 つまり、メジャーになる前の彼らは、ホーン入りのカルテットで活動していたのだ。 しかし、管楽器奏者がレギュラーメンバーとしてなかなか定着しなかったので、仕方なくピアノトリオで活動してゆくことになったのがスリー・サウンズ誕生の契機。 つまり、もともとはホーン入りバンドのメンバーが、ルー・ドナルドソンのリズムセクションを担うわけだから、伴奏はお手のものというわけだ。 スリー・サウンズは「ピアノトリオでいこう」と決めた時点で、ピアノは伴奏楽器から主役楽器に躍り出るわけだから、アンサンブルの比重は大きく変わったに違いない。 より一層、ジーン・ハリスのピアノが前面に出て、主張の強いピアノを弾かなければ、地味なピアノトリオでは「立つ」演奏が生まれえないと彼らは考えたのだろう。 それが、スリー・サウンズ特有の、分かりやすくてキャッチーな演奏に繋がっていると私は考える。 しかし、ルー・ドナルドソンとの共演したこのアルバムでは、スリー・サウンズは、あえて「主張が強く、分かりやすい演奏」を念頭に演奏する必要もないわけだ。管楽器のバックで演奏するわけだから、昔やっていた通りのアンサンブルでOK。 この『LD+3』から漂う、あっさりとしたテイストと、適度な緊張感とリラクゼーションの絶妙なバランスは、おそらくはスリー・サウンズのアンサンブルの意識の変化から生まれているのだと思う。 ピアノソロのパートでは、さすがにスリー・サウンズなテイストも顔を出すが、基本的な役どころは、あくまでルー・ドナルドソンという主役を支えるリズムセクション。この役どころをわきまえたアンサンブルだからこそ、聴きやすく、飽きのこないアルバムに仕上がったに違いない。 誰もが安心して楽しめる、腹八分目ハードバップの快作だ。 |
| (2009/12/07) |
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