TONE DIALING (Harmolodic/Verve)
- Ornette Coleman

  1. Street Blues
  2. Search For Life
  3. Guadalupe
  4. Bach Prelude
  5. Sound Is Everywhere
  6. Miguel's Fortune
  7. La Capella
  8. OAC
  9. If I Knew As Much About You (As You Know...)
  10. When Will I See You Again
  11. Kathelin Gray
  12. Badal
  13. Tone Dialing
  14. Family Reunion
  15. Local Instinct
  16. Ying Yang

Ornette Coleman (as,tp,vln)
Dave Bryant (key)
Chris Walker (key,b)
Chris Rosenberg (g)
Ken Wessel (g)
Bradley Jones (b)
Al MacDowell (el-b)
Badal Roy (tabla,per)
Rudy MacDaniel (drum programing)
Avenda "Khadijah" Ali (vo)
Moishe Naim (vo)

release date 1995/09/26

限りなくポップなフィーリング、
しかし、しっかりオーネット。

聴きやすさと心地よさは、他のアルバムと比較しても群を抜き、だからといって、決してオーネット・コールマン独特のテイストは失われていない。

バックのサウンドは、従来の楽器を2台ずつ取り入れた戦略的な混沌さと比較とは一線を画した、落ち着いたしなやかなテイストだ。

軽やかなノリ、
気持ちの良い調子っぱずれ具合、
ヌケの良いアルトのサウンドは、特にクリーミーな高音に加え、オーネットにしか出せない、軽やかでフワフワな軽味は、たまらなく心地良い。

それは、4ビート時代とリズムが変わろうが、ラップをいれようが、背後で複数のギターが絡みあおうが、まったく変わることのない、オーネット・ワールドなのだ。

このアルバムに関しては、ラップあり、バッハの無伴奏チェロあり、インドのタブラが参加のナンバーありと、さながら「音」のおもちゃ箱。

しかし、どのナンバーもしっとりとしたアルバムとしてのサウンドカラーに貫かれているところが、さすが。
あるいは、息子・デナードのプロデュースの功績か。

オーネット・コールマンは『フリー・ジャズ』以来、別々の楽器が、別々のことをやっていながらも、結果的に一つの“音楽”としてまとまっているという、遠近感とズレの快感を追求してきた男だが(彼の唱えるハーモロディック理論を強引に要約すると、要するにそういうことだと思うのだが……)、アコースティック時代の試みとは、音の肌触りは違えど、このアルバムでもしなやかに“ズレの快楽”を実現している。

特に1曲目の《ストリート・ブルース》なんかは、まさにこのアルバムの幕開けに相応しいナンバーだ。
おだやかに、心地よく、 飄々とした彼のアルトサックスの音が、フワフワとオケと交わっている限りは、「これはオーネットの音楽です」と音が無言に主張する。

そして、2曲目の女性のラップがナンバー《サーチ・フォー・ライフ》も、従来のオーネットにはない、確実に新しい触感だ。

冒頭の2曲が、『トーン・ダイアリング』というアルバムの新しさ、フレッシュさを象徴するナンバーだと思う。

しなやか、かつ力強く。まるで目の前の靄が、くっきりと晴れてゆき、目が覚めたかのように視界がクリアになってゆくかのような、抜けのよい垢抜けたサウンド。

調子っぱずれと紙一重の寸止め的ポップ感覚。 ありそでなさそなサウンドだ。

都会的で、そこはかとなくオシャレなオーネット(笑)を聴きたければ、まずはコレだ!
(2007/01/29) 


同じプライムタイムの演奏でも、この『トーン・ダイアリング』のサウンドは、『ダンシング・イン・ユア・ヘッド』や『ヴァージン・ビューティ』と比較すると、すっきり整理整頓され、落ち着いた肌触り。

上記2枚と比較した場合、無鉄砲な勢いは陰を潜めてはいるが、そのかわり、じっくりと腰の据わったサウンドだ。

とはいえ、アルトサックスを吹き始めたオーネットの出だしの3音目あたりから既に、濃厚に「うーん、オーネット!」としか言いようのない独自の世界が展開されるのはサスガ。

しかしこのワンパターンが好きな人も多いはず。かくいう私もそうだ。

ジャケ写も含め、ライナーノーツのタイポグラフィも、中身のサウンドを象徴するかのように、スッキリとお洒落なデザイン。まるで、iPod miniのパッケージを彷彿とさせるカラーリングは、もちろんこのiPodが世に出るおよそ10年前のアートワークだ。

スッキリとしたサウンドとはいえ、やはり漂うテイストは、オーネットにしか出せない、軽やかなワフワ味。

それは、4ビート時代とリズムが著しく変わろうが、ラップをいれようが、背景で複数のギターが絡みあおうが、まったく変わることのない、オーネット・ワールドなのだ。

飄々とした彼のアルトサックスの音が、フワフワとオケと交わっている限りは、「これはオーネットの音楽以外の何者でもありません」と音が無言に主張してる。

強烈ではないかもしれないが、しなやか、かつ力強く。
調子っぱずれと紙一重の寸止め的ポップ感覚。
ありそうでなさそなサウンドの典型。

オーネットは年齢を重ねるにつれ、より一層の軽やかさを獲得していることを感じさせるアルバムだ。

(2006/05/04) 

Ornette Coleman | Jazz Blog | Cafe Montmartre

←backward
homeJazz Albums

forward→


Copyright(c) Kumo Takano,
All Rights Reserved.