SPAIN (Lola Records) |
| - Michel Camilo & Tomatito |
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Michel Camilo(p) Tomatito (g) 1999年 |
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最初に聴いたのは、メキシコ料理屋のカウンターで。
ときおり会社帰りに立ち寄るこの店は、おいしい料理と、洒落た内装、暗めに落とした照明が落ち着いた雰囲気を醸し出している。
かかる音楽も良い。 店の空間のなせるワザなのだろうか。たとえば、バド・パウエルの『シーン・チェンジズ』の次に、ボブ・マーリーの『ライブ!』がかかっても、なんの違和感も感じない。
深夜の2時過ぎまで営業しているので、飲み始める時間が遅い私にとっては、とてもありがたい店だ。
その誰もいない時間帯に、いきなりガツーン!やられてしまった音楽が、ミッシェル・カミロとトメティートのデュオ、《スペイン》の演奏だ。
ガランとした店内に大音量で流れた《スペイン》の勇壮かつ哀愁たっぷりの旋律は、店内の空気を一新するのに充分だった。
ギター、ピアノともに、見事なテクニックと情感。
カウンターの中でグラスを拭いているマスターに「この《スペイン》を弾いているギター、誰ですか?」と聞いてみた。
私はアンソニー・ジャクソンのベースプレイに関心があるので、彼のベース聴きたさで、ミッシェル・カミロのアルバムは何枚か持っている。
しかし、そんな彼の奏でるスパニッシュタッチの哀愁あふれるピアノを聴くと、ラテンなだけなピアニストではないことがよく分かる。
ギターのトメティートは、このアルバムで初めて知ったギタリストだが、調べてみると、10代でスペイン・ポピュラー音楽界最高峰の歌手、エル・カマロン・デ・ラ・イスラに認められ、若手ギタリストにとっては最高に栄誉な賞、「エル・ヒラルディージョ賞」を'84年に受賞しているという経歴の持ち主。 この《スペイン》は、いつ、どこで聴いても感動の質は変わることはないだろうが、シチュエーション的には、やはり目の前には酒があり、そして照明も暗めのほうがムードが倍増すると思う。
だから、私は飲み屋に行ったときには、いつでも「これかけてよ」と頼めるように、カバンの中に《スペイン》を録音したMDを忍ばせるのだ(最近はあまり忍ばせないけど)。 《スペイン》は、曲そのものが名曲には違いないが、この曲の“旨さ”をたった二台の楽器で限界まで引き出しているカミロとトメティートの演奏は、ある意味、チック・コリアのオリジナルの演奏よりも深く、哀しく、切ない上に情熱的だ。 是非、聴いてみてください。 |
| (2003/06/16) |
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