THE HOUSE OF BLUE LIGHTS (Dot)
- Eddie Costa

  1. The House Of Blue Lights
  2. My Funny Valentine
  3. Diane
  4. Annabelle
  5. When I Fall In Love
  6. What's To Ya

Eddie Costa(p)
Wendell Marshall(b)
Paul Motian(ds)

1959/01/29,02/02

私にとっての“おっかねぇピアノ”の筆頭は、『マネージャングル』のエリントンが筆頭だ。
これは、別冊宝島913『JAZZ“名曲”入門!』の《キャラヴァン》評でも書いたことだが、ピアノが悲鳴を上げているような“バシン・バシン”といった音塊がたまらない。

そして、それと負けず劣らずが、私が“おっかねぇピアノ”と感じているのが、トリスターノの“怨念ピアノ”。
別に誰に対して怨念を抱いているというわけではないんだけど、トリスターノのピアノにはなんだか青白い妖気が漂っているのだ。
冷たい肌触りと、超高温だと推測される内面の葛藤。この温度差と眩暈を起こすようなフレーズとノリにはかなり怖しいものを感じてしまう。

他にも、デニー・ザイトリンとかヤンシー・キョロッシーやミシャ・メンゲルベルグのような、「キレたヨーロッパ人」のピアノも「おぉ、怖ぇ」とニヤニヤしながら聴くのも変態チックな愉しみのひとつだが、おっと、忘れてはいけない、もう一人思い出した。
この人を忘れてはいけませんね、エディ・コスタ。

ピアニスト、そして、ヴァイヴ奏者。
ヴァイヴ奏者としての起用されることも多いが、彼のピアノはものすごく独創的。
いや、独創的過ぎ。
だから、ヴァイヴ奏者としての仕事依頼が多かったのかも。

そういった意味では、徹頭徹尾ピアノに徹した本作は非常に貴重といえる。
なにせ、コスタはリーダー作を5枚出しているが、ピアノ・オンリーのリーダー作は、あとにも先にもこれ1枚こっきりなんだから。
そう、わずか31歳で夭折してしまったピアニストなのだ。

こういう硬質でおっかねぇピアノ大好き。
音色に関しては、トリスターノのような硬さを感じる。

フレーズのほうも、脈絡がありそうで、なかったり、あったり。
頭が良すぎる人の、思考が4回り半をした、常人には及びもつかないモノローグを聴いているようでもある。
ポツリポツリと意味ありげな言葉を吐いたかと思うと、一気に長いセンテンスでセリフをまくしあげ、そうかと思ったら突然黙り、あるとき突然フレーズが叫びだす。

これを味わえるのは、なんといってもタイトル曲。長めの演奏の中、たっぷりとコスタのピアノの「ヘンっぷり」を味わえる。

是非是非、このヘンだけど、気持ちの良い感覚を味わって欲しい。
(2003/11/20) 


Eddie Costa | Jazz Blog | Cafe Montmartre

←backward
homeJazz Albums

forward→


Copyright(c) Kumo Takano,
All Rights Reserved.