EYE OF THE BEHOLDER (GRP) |
| - Chick Corea's Elektric Band |
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Chick Corea (key,p) Eric Marienthal (sax) Frank Gambale (g) John Patitucci (el-b) Dave Weckl (ds) Released 1988 |
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静謐かつ荘厳な出だし。 聴き手は、これから始まる“音の出来事”に胸をふくらませることになる。 否が応でも期待感をあおる冒頭の《ホーム・ユニヴァース》を耳にするたびに、チック・コリアはこういう掴みと演出はうまいよなぁと関心してしまう。 エレクトリック・バンドの3作目の『アイ・オビ・ザ・ビホルダー』は、“エレクトリック”という言葉の先入観で聴くと、肩透かしを食らうほどアコースティック・ピアノの音で溢れている。 アコースティックバンドかと一瞬耳を疑うほど、生ピアノが前面に出てはいるが、細かなところにシンセによるサポートがなされている。 あくまで、ピアノの音色を引き立てるための控えめな使われ方だが、この生とエレトリック楽器のブレンド具合が絶妙だ。 エレクトリックバンドだからこそ出来る、ピアノの響かせ方なのかもしれない。 このアルバム全体を支配するトーンや、曲の繊細なニュアンスの表現には、どうしてもアコースティック・ピアノが必要だったのだなということが、聴いているうちに少しずつ分かってくる。 このアルバム全体に通底するトーン、そして、世界観とは、すなわち瑞々しさと、大理石のように冷たく硬度のあるピュアさだ。 難解ではないし、いや、むしろ聴きやすい曲ばかりだが、かなり内省的で思索的な雰囲気が漂っていることも確か。曲も演奏もロマンチックなものが多いが、だからといって決して甘さに流されたロマンチックさではない。 圧巻は、やはりタイトル曲の《アイ・オブ・ザ・ビホルダー》で、チック得意のスパニッシュ・テイストにドラマティカルなストーリー性も加味されている。 次々と展開してゆく構成ゆえ、最初は曲全体の輪郭を掴みづらいかもしれないが、よく聴くと、 中々練られた構成だ。 一気のドバーっとカタルシスのこない、ジラシ方の巧みな曲構成だ。大きな波は後半にやってくる。後半に再登場するピアノによるイントロのフレーズが心地良い。 適度な緊張感が保たれ、なおかつ気品すら感じる落ち着いた佇まいの音空間をたっぷりと味わうことが出来る『アイ・オブ・ザ・ビホルダー』。 なかなかに、しっとりと、じっくりと鑑賞できるクオリティの高いアルバムだ。 |
| (2005/01/02) |
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