CRISS CRAFT (Muse) |
| - Sonny Criss |
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Sonny Criss (as) Dolo Coker (p) Ray Crawford (g) Larry Gales (b) Jimmie Smith (ds) 1975/02/24 |
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ソニー・クリスが亡くなる2年前の作品だ。 この時期、つまり1975年のクリスには良作が多い。 いや、75年に録音した3枚すべてが甲乙つけがたい素晴らしいアルバムだと言いなおそう。 その3枚とは、マニアの間では人気の高い『サタデイ・モーニング』、そして本作同様、ピアニストのドロ・コカーの好サポートを得て元気に吹きまくる『アウト・オブ・ノーホエア』、そして本作『クリス・クラフト』だ。 本作『クリス・クラフト』は上記2枚よりも早く録音された作品で、75年の2月の下旬に録音されている。 それから、ほぼ一週間後にはバリー・ハリスをピアニストに迎えて『サタデイ・モーニング』を録音し、さらに7ヶ月後には『アウト・オブ・ノーホエア』という順番。 ⇒ 『アウト・オブ・ノーホエア』が、明るくどこまでも澄んだクリスのアルトサックスを楽しめるとしたら、こちらの『クリス・クラフト』のムードは、演奏された曲が持つムードの影響も大きいが、センチメンタルなニュアンスが前面に出ている。 冒頭の《セリア島》は、まるでホレス・シルヴァーの《ソング・フォー・マイ・ファーザー》。しっとりとしたムードの中、少々演歌チックな要素も入り混じり、聴き手の耳を惹きつける「砂糖」の匙加減が巧みだ。 軽快なクリスが好きな人にとっては、この砂糖が微増量されたニュアンスに対して好き嫌いが分かれるのかもしれないが、“ライト級チャーリー・パーカー”の域から脱した、彼にしか表現できない「クリス流の泣き・哀愁」に慣れてしまえばなかなかのものだと思う。 ベタベタし過ぎないクサさと言うべきか。 これはクリスが持つクリーミーであっさりとした音色ゆえに感じられる独特のフレバーで、同じパーカー派アルティストの、ジャッキー・マクリーンやフィル・ウッズだともう少し湿度や重さがついてまわる。 同じ楽器、似たような表現スタイルでありながらも、微妙な重さ加減や湿度の増減で、驚くほど聴き手が感じ取るニュアンスが変わってしまうところがジャズの面白いところ。そして、この微妙な差異を感じ取れるようになればなるほど、ジャズを聴くことが楽しくなってくるのだ。 それにしても、「クリスクラフト」=「クリスの船」だから、ジャケットのイラストが船なのは分かるが(そういえばクリス・コナーの同名アルバムのジャケットも船だった)、もうちょいマシなイラストだったら、もっとこの盤は注目されていたかもしれないのに、と思うと残念でたまらない(発売当初は別ジャケットだったようだが)。 これは、アート・ペッパーの『サーフ・ライド』にも同様のことが言えるのだが、せっかく良質な内容にもかかわらず、ジャケットがB級色ぷんぷんのテイストを醸し出していがるために、イメージで損をしているような気がしないでもない。 少なくとも、はじめて聴こうと考えている人が真っ先に手が伸びるアルバムとは言い難い雰囲気なのだ。 しかし、臆することなかれ。 『クリス・クラフト』は、むしろパーカーライクに疾走していたプレスティッジ期のアルバムよりも、泣きや演歌な要素が増えているぶん、口ずさみやすめるフレーズが多く、初心者にこそオススメしたいクリスの名盤なのだ。 |
| (2011/05/27) |
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