RAY BRYANT TRIO (Prestige) |
| - Ray Bryant |
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Ray Bryant (p) Ike Isaacs (b) Specs Wright (ds) 1957/04/05 |
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レイ・ブライアントのアルバムの中では、彼の硬質なタッチ、いわゆるコキコキ・ポキポキしがちな音色が目立たない、どちらかというとウェットでマイルドなアルバムだ。 長らく、私はこのアルバム、「ブライアントらしくないじゃん」と言いながら避けていたのだが、少しずつ好きになってきた。 むしろ、ピアノの音のアタックの強い他のゴキゴキピアノのブライアントは、最近は片面分の演奏を聴けば、お腹いっぱい、もういいや、となることが多い。 さすが、名盤とされてきただけのことはある。 昔は、「どーして、こんなにブライアントらしくない演奏のアルバムが名盤なの?」と訝しく思っていたが、結局、「らしい・らしくない」の問題ではなく、「何度でもついつい聴きたくなる」といった白米的な存在がこのアルバムの良さなのだろう。 もちろん、このアルバムを代表する冒頭の《ゴールデン・イアリング》の演奏は出色の出来だし、《エンジェル・アイズ》、《ジャンゴ》、《ダフード》など、決して大味には陥らない、丁寧な演奏も光る。 しかし、各論でこのアルバムの演奏曲を褒めるよりも、このアルバムの素晴らしさは、なんといっても、アルバム全体を覆う、ちょっとアンニュイな曇り空なムードが名盤たらしめているのだろうと思う。 そう、まさにジャケット全体を覆う灰白色の空模様のような。 このムードが、他のブライアントのアルバムとは一線を画しているといっても過言ではない。 そして、このアルバムの“気分”を代表しているのが、冒頭の名演《ゴールデン・イアリング》であり、次曲の《エンジェル・アイズ》だと私は感じる。 重くなりすぎずに。暗くなりすぎずに。フレーズの“間”の空け方から、アドリブの展開具合、局面ごとの緩急のつけ方まで、聴けば聴くほど深い味わいがあるのだ。 そして、このアルバムを名盤たらしめている、影のサポーター、ベースのアイク・アイザックスの堅実かつ柔軟なサポートも素晴らしい。 決して出しゃばらずに、しかしながら、ブライアントのピアノの影となって(しかも濃い影となって)演奏に深みを与えているのだ。 ジャケ写のブライアントの奥に映る縦長のシュールな人陰が個人的には妙に気になり、「この人誰?」と思わせると同時に、この曇り空なジャケ写の風合いが、なんともこのアルバムの音の気分にマッチしているところも素晴らしい。 |
| (2002/05/22) |
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