MARION BROWN LIVE IN JAPAN (Diw)
- Marion Brown

  1. November Cotton Flower
  2. La Placita
  3. Angel Eyes〜Hurry Sundown
  4. Sunshine Road
  5. Africa

Marion Brown (as)
Dave Burrell (p)
Gon Mizuhashi〔水橋 孝〕(b)
Wallen Smith (ds)

1979/11/08 弘前市民会館

マリオン・ブラウンといえば、「フリージャズの人」という印象が強かった。

なにせコルトレーンの『アセンション』や、アーチー・シェップの『ファイヤー・ミュージック』などといった“すげぇアルバム”への参加歴があるので、“あの時代”の、“あの濃い人たち”の“一味”だという認識がどうしても強く、コワモテなサックス奏者だと思いこむに充分だったからだ。
要するに、きちんと聴いてなかっただけの話なのだが…。

マリオン・ブラウンのメインの楽器はアルトだが、それ以外にもソプラノサックス、クラリネット、オーボエなどの管楽器も学び、さらには楽器以外にも音楽教育、政治学、経済学、歴史まで学生時代に学んだというのだから、フリージャズの、というか、正確には『アセンション』の 「ぶびゃぁ〜」という音イメージと相まって、うわぁすげぇ人だなぁと、ちょっとだけ尻込みしてしまう私だった。

以上が音を聴く前の私の先入観。

しかし、実際の彼の音を聴いてみると、全然そうではないことに気が付く。
ワンホーン・カルテットのフォーマットで、彼のアルトをじっくりと聴いてみようと思いたち、買ってみたアルバム『マリオン・ブラウン・ライブ・イン・ジャパン』。

「おや?」 と思った。
意外と線の細い、メロディアスなサックスなのだ。

先述したようなコワモテなイメージは微塵もなく、むしろ、弱々しいぐらいだ。

東洋やアフリカに傾倒していたという彼。
一曲目のメロディとリズムは、外国人のイメージする典型的な“分かりやすい東洋”というか“なんとなく東洋っぽいサウンド”なテイスト。
まぁ聴きやすいといえば聴きやすいのだけど、リズムにもメロディにもメリハリがなく、おっとりした感じの演奏が終始続く内容。
澄み切った枯淡の境地とでも言うべきか。
このおだやかさ、マリオンには悪いが、とても心地よい眠気を誘うのだ。

個人的には3曲目のサックスソロが好きだ。
鋭さには欠けるものの、ちょっとしたリズムへのタイミングの乗り遅れや、アルトのかすれた音を聴くと、マリオン・ブラウンという人の持ち味は、素朴さ、純朴さにあるんじゃないかと思った。

どうやら、怖い人というのは誤解で、むしろ彼の周囲が怖い人たちだったのね。
フリージャズ、アセンション、コルトレーン、ファラオ・サンダースなどといった恐ろしい(笑)キーワードによる先入観に振り回されていた自分に反省。

1979年、青森は弘前市の市民会館でのライブ。

(2003/03/06) 


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