INTRODUCING (Blue Note) |
| - Kenny Burrell |
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Kenny Burrell (g) Tommy Flanagan (p) Paul Chambers (b) Kenny Clarke (ds) Candido (conga) 1956/05/29 |
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時々、思い出したようにケニー・バレルのギターを聴くと、「ああ、これこそジャズ・ギターなんだよなぁ」と思ってしまう。 それは、最初に聴いたジャズギターが、ケニー・バレルだったという原体験が強く影響しているのだと思う。 ポール・チェンバースの『ベース・オン・トップ』が、私が最初に買ったギター入りのアルバムだったのだが、《ディア・オールド・ストックホルム》の艶やかなギターに、一発で虜になってしまった。 ジャズベースに興味を持って買ったアルバムなのに、肝心なチェンバースの演奏よりも、物憂げで艶やかなケニー・バレルのギターの魅力の虜になってしまったのだ。 さて、この『イントロデューシング』は、ケニー・バレルの初リーダー作だ。 彼が24歳の時のもの。 同郷のサド・ジョーンズの『デトロイト・ニューヨーク・ジャンクション』(ブルーノート)の録音から2ヵ月後の吹き込みだ。 デトロイト時代からの盟友トミー・フラナガンをピアノに配し、チェンバース、クラークといったベテランのリズム隊。加えてコンガに、キャンディド・カメロという布陣だ。 初リーダー作にして既に「完璧!」と言っても過言でないほど、洗練かつ完成されたスタイルを見出すことが出来る。 1曲目の「今こそ夢のかなう時」の、ノリの良いリズムセクション、そして流れるようなバレルのシングル・トーンを聴けば、一発で彼の魅力にはまってしまうことだろう。 このアルバムの聴きどころを3つ挙げるとすると、 一つは、トミー・フラナガンのセンスの良いサポート。 二つは、コンガの参加。 三つは、バレルのセンスの良いギタースタイル になると思う。 トミー・フラナガンのピアノは、アルバム全篇通して、とても品の良いサポート、そしてソロも光っていて、ケニー・バレルの艶やかなギターをより一層際立たせている。 キャンディドのコンガは、演奏にとても良く溶けこんでいて、気持ちのよいウネリを生み出している。 《フーガとブルース》など、曲によってはコンガの抜けた演奏もあり、きちんとそのへんはアレンジのバランスが考えられていると思う。 反対に、ギターとピアノが抜け、コンガとドラムのデュオによる《リズモラマ》という曲もあり、一瞬ギタリストがリーダーのアルバムだということを忘れてしまうほどの内容だが、それはそれでスリリング、かつ楽しい演奏内容だ。 アルバムの中での良いアクセントだと思えば、それほど気になるほどのことではない。 ケニー・バレルのギターの良さは、「バランス感覚」ではないかと思う。 突出し過ぎた表現はしないし(これが彼の美学なのだろう)、かといって控えめ過ぎるということも無い。 と書くと、非常に地味で印象の薄いギタリストと誤解されてしまいそうだが、決してそうでは無い。 たとえば、ブルースを弾かせても、「泥臭く」演り過ぎない。 シングル・トーンで奏でられるアドリブの組み立て方も見事だが、決してフェイクしたスタンド・プレイには走らない。 バラードでのコードプレイも、非常に繊細かつ細やかな気配りが行き届いていて、決して演奏をかき乱すことはない。 その点は、このセッションで共演しているトミー・フラナガンのピアノにも通じるセンスだと思う。 このソフトでデリケートなセンスに加えて、艶やかで、濡れた音色。 適度に色気もある。 これこそジャズに必要な色気だ、と書くと、大袈裟だろうか? |
| (2002/08/08) |
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