FOR THE FIRST TIME (Pablo) |
| - The Count Basie Trio |
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Count Basie (p,org) Ray Brown (b) Louis Bellson (ds) 1974/05/22 |
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“小出し”の達人、カウント・ベイシーのピアノ。 ビッグバンドのアンサンブルを聴けばお分かりのとおり、ベイシーのピアノは、演奏の要所要所をピンポイントで押さえたところに出現する。 とくに、イントロやエンディングの箇所に出現頻度が高く、ド迫力のビッグバンドサウンドの中に心地よい音量の谷間を作っている。 いわば、役割としては、牛丼の上の紅しょうが。天丼やカツ丼に添えられたタクアン、あるいは、うな丼にかける山椒といったところか。 勢いあふれてスイングするベイシー・オーケストラ。 ノリは豪快、スインギー。 しかし、ベイシーのピアノが“締め”として演奏のちょっとした空白に存在しなければどうだろう? きっと、数曲でお腹いっぱいになってしまうのでは? 箸休めのお新香を食べずに、一気に丼モノをかっこんだときの胃もたれ感のように。 ベイシーのピアノは、ビッグバンドのサウンドをピリリと締める重要な役割を担っているのだ。 音数少なく、間違っても弾きまくることはない。 だからこそ、粋。 だからこそ、洒落ている。 しかし、オーケストラに親しみを感じれば感じるほど、ベイシーのピアノをもっと聴いてみたい! たっぷり楽しみたい!という欲求も出てくるんじゃないかな? そんな贅沢な欲求を満たしてくれるのが、コレ。『フォー・ザ・ファースト・タイム』。 ピアノトリオだ。 ここには、リズムをスインギーに刻むフレディ・グリーンはいない。 かわりに、レイ・ブラウンのベースが勢いよく跳ねながら、時間を均等に分割してゆく。 さらに、ルイ・ベルソンの気持ちの良いブラッシュ・ワーク。 これに乗っかるベイシーのピアノは、うん、やっぱり「小出し」だった。 短いフレーズを弾き、フレーズとフレーズの空白に出現するレイ・ブラウンとルイ・ベルソンのピアノが心地よい。 スインギーで、快活で、ゴキゲンで。 ブルース進行の曲を多めに取り上げているが、これはもうベイシー得意のフォーマット。 ピチピチと勢いよくはずむベイシーのピアノを聴けば、誰しも満面の笑みを浮かべているはず。 ちなみに、《ブルース・イン・ザ・チャーチ》と《ソング・オブ・ザ・アイランド》では、オルガンも披露している。 かつて、ベイシーは、オルガンをファッツ・ウォーラーに教わったことがあったそうで、それなりに味はあるが、それでも前後の曲のスインギーな演奏に比べると、どうしても“余芸”の域を出ていない。 ピアノほど巧みではなく、どことなく慎重さの漂うプレイが微笑ましい。 やっぱり、オルガンの後のピアノのシャキッとしたプレイが心地よく感じる。 そういった意味では、このアルバムの中でのオルガン演奏は、アルバム全体の中の箸休めコーナーなのかもしれない。 いくらノリの良い演奏だからといって、歯切れの良いピアノばかりが連続して続くとさすがに飽きが来るからね。 そういった意味では、ベイシーのオルガン演奏も、アルバム中の良いアクセントとして機能しているのだと思う。 ベイシーのオルガンに興味のある方も、是非。 どの曲も一瞬たりとも「非スイング」な瞬間がない。理屈抜きに、自然に身体が反応するゴキゲンな1枚だ。 |
| (2008/06/23) (加筆修正:2009/11/30) |
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