AT THE CAFE BOHEMIA vol.2 (Blue Note) |
| - Art Blakey (The Jazz Messengers) |
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Art Blakey (ds) Kenny Dorham (tp) Hank Mobley (ts) Horace Silver (p) Doug Watkins (b) 1955/11/23 |
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聴きどころ満載のアルバムだ。 演奏内容は「vol.1」に負けず劣らず素晴らしい。 一曲ごとに聴きどころを紹介してゆこう。 まずは、アート・ブレイキーのアナウンスから演奏に移行する《スポーティン・クラウド》。 これはB♭のブルースで、後年、ソニー・ロリンズとジョン・コルトレーンが《テナー・マッドネス》として競演を繰り広げるリフナンバーだ。 なんといっても、ホレス・シルヴァーのアドリブパートが興奮ものだ。 アート・ブレイキーの強力なハイハットのプッシュ力と、ホレス・シルヴァーのピアノが繰り出す絶妙なドライブ感がピタリと一致し、まるでジェットコースターのようにスリリングなスピード感を味わえる。 ついで、《ライク・サムワン・イン・ラヴ》か。 テーマのアレンジは凡庸ではある。 最初のテーマの後半部は、1オクターブ上げてメロディをなぞるケニー・ドーハムは高い音域のキモとなる一音をトチってしまっているが、すぐさま装飾フレーズで、何事もなかったかのようにリカバーするが、その立ち直り力が見事。 イントロをつけるのがホレス・シルヴァーのピアノで、ある意味、テンポも曲のムードもシルヴァーのピアノが設定しているにもかかわらず、彼は自分が設定したムードをピアノソロのパートで思い切り変化させようとしているところが面白い。 特にテンポが倍テン(倍速テンポ)になりはじめたあたりから俄然面白くなってくる。 ノホホンとしたムードで進行してきたムードを、シルヴァーは別の次元に突入させようと、小刻みにアウトしたフレーズ繰り返すシルヴァー。ポキンポキンとしたメリハリのある音色のピアノで、終始、演奏のテンポとは倍のスピード感で雄弁に音を放り投げ続ける。 もう少しで別の世界に突入かな? と感じさせるタイミングで、のんびりとしたテーマがケニー・ドーハムによって奏でられ、一気に世界がのほほんムードに引き戻されて腰砕けになってしまうという、そのギャップが楽しい演奏だ。 《イエスタデイズ》は、ケニー・ドーハムのトランペットがフィーチャーされた演奏だが、個人的には、ドーハムのトランペットプレイはラストの《アイ・ウェイテッド・フォー・ユー》により一層の深みを感じる。 そういえば、同2曲は、同時期に同じくトランペッターのマイルス・デイヴィスもブルーノートに録音しているが、ケニー・ドーハム演奏の《イエスタデイズ》、《アイ・ウェイテッド・フォー・ユー》と、マイルス演奏の《イエスタデイズ》、《アイ・ウェイテッド・フォー・ユー》を聴き比べてみるのも一興かもしれない。 二人とも優れたバラード・プレイヤーだが、ケニーの演奏が直木賞的名演だとすると、マイルスのほうは芥川賞的名演とでもいうべきか。 優れたバラード表現でありながらも、音の重さ、ニュアンスの微妙な違いが、両トランペッターとしての資質を分けている気がする。 白眉は《アヴィラ・アンド・テキーラ》だろう。 テーマ前の長いリズムの祝宴は、後年の《チュニジアの夜》のアレンジを彷彿とさせる。 ブレイキーは、すでにこの時期から、複数の打楽器によるリズムのアンサンブルに興味を持っていたのと同時に、すでにこの時期にブレイキーのドラミングや音楽性は完成をみていたことが手に取るように分かるナンバーだ。 モブレイのテナー、ケニーのトランペットの両アドリブともに素晴らしく、厚いアンサンブルの底をガッシリと支えるダグ・ワトキンスの「縁の下ベース」も力強い。 カフェボヘミアのライブ盤は、「vol.1」が《マイナーズ・ホリデイ》が目玉だとすると、「vol.2」は《アヴィラ・アンド・テキーラ》がアルバムの代表ナンバーといえる。 手に汗握る興奮を味わって欲しいと思う。 |
| (2010/12/02) |
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