TONY BENNETT & BILL EVANS ALBUM (Fantasy) |
| - Tony Bennett |
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Tony Bennett (vo) Bill Evans (p) 1975/06/10-13 |
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男性ヴォーカリスト、トニー・ベネットと、ビル・エヴァンスの共演盤。 ヴォーカルとピアノのデュオという、シンプルかつ渋い編成だ。 トニー・ベネットのファンより、どちらかというとエヴァンス・ファンに知名度が高いアルバムなのかもしれない。 なにせ、エヴァンスの代表曲で、さらに彼を代表するアルバム『ワルツ・フォー・デビー』に収録されている《マイ・フーリッシュ・ハート》や《ワルツ・フォー・デビー》の2曲が収録されているのだから。 「今度はどんな演奏がなされているのだろう?」と、モニカ・ゼタールンドの『ワルツ・フォー・デビー』をチェックする時のような興味で、このアルバムを手にした人が多いだろうことは容易に想像できる(かくいう私もその一人)。 このアルバムが録音された年は、1975年。 ベネット48歳、エヴァンス45歳の時だ。 1970年代中盤といえば、世はフュージョン全盛期。 今でこそビル・エヴァンスは、ジャズピアニストのビッグネームの1人として認知されているが、当時のエヴァンスは、時代に流れに取り残された「いまだアコースティックでピアノトリオをやっている人」ぐらいの認識しかなかったようだ。 よって、仕事の依頼そのものも少なかったことは容易に推察できる。 エヴァンスはベネットのことを「偉大な歌手だが、声が苦手」と評していたにもかかわらず、ベネットとの共演依頼を断らなかったのは、このような時代背景があったことも見逃せない。 しかし、エヴァンスの共演相手の好き嫌いは別として、さて、肝心のこのアルバムの出来はどうなのかというと、決して悪くはない。 相性が良い、というよりも、まったく個性の違う二人だからこそ、しっくりと音楽的なマッチングが遂げられたというべきだろう。 朗々たるベネットはあくまで男性的。 対するエヴァンスは女性的かというと、そういうわけでもないのだが、堂々たる大股歩きのベネットのヴォーカルに対して、細やかな気配りの行き届いたピアノでサポートをしている。 あくまで「歌伴」としての己の役割を認識し、ベネットのヴォーカルの陰のサポーターたらんとして一歩身を引いた姿勢が、ベネットの歌唱を引き立て、かわりに、いつものエヴァンスらしさが多少影をひそめることになった。 ハスキーなベネット、繊細で硬質なエヴァンスのピアノ。 音色的にも絶妙なマッチングをみせるこのアルバムは、ヴォーカルアルバムとしては、非常にクオリティの高い仕上がりとなった。 ただし、エヴァンスファンにとってみれば、当然のことながら、「全開エヴァンス節」で腹いっぱいになれないことは仕方のないことではある。 |
| (2011/05/07) |
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