北<NORD> Abe・Yoshizawa Duo '75 (コジマ録音) |
| - 阿部薫・吉沢元治 |
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阿部薫 (as) 吉沢元治 (b,cello) 1975/10/16 入間市民会館 1975/10/18 青山タワーホールコンサート「なしくずしの死」よりライブ録音 |
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非常に知的な音の対話だ。 ただ凶暴な音をフリーキーに搾り出すだけではなく、言いたいこと、出したい音が整理整頓されているために、とても聴きやすい。 吉沢元治のしなやかなベース(あるいはチェロ)が、阿部のサックスの上手な“聴き手”に回っているからなのだろう。 彼は音で“話題”をふるのが上手だし、きちんと阿部の独白に相槌を打ち、思いもよらぬ話まで引き出している。 ベースと管楽器の対話といえば、ミンガスとドルフィーの“対話”が有名だが(『ミンガス・プレゼンツ・ミンガス』の《ホワット・ラヴ?》)この演奏は、演出がかっていて、私はあまり好きではない。 ここでお前がこうしたら、オレがこう応えて、そこでああしたら、こっちはこうする、というように、まるでプロレスの試合の流れのように、細部は即興なのだろうが、全体の大まかな流れはすでに決まっていて、なんとなく過程とゴールが見えてしまう安心感と同時に、スリルの足りなさも感じる。 それに比べれば、阿部と吉沢の“対話”は、あくまで自然体。 世間話をしているうちに、思わぬタイミングで興味深い話題になったりと、あくまで、会話としてのリズム、流れがある。 だから、先が読めないスリリングさもあり、さらに、緩急のつき具合も申し分ないので、スリルと安心感がうまく共存した演奏といえる。 話題が尽きた瞬間の空白も、吉沢が非常にうまくフォローしているところも素晴らしい。 この作品は、阿部薫というよりも、柔軟かつスポンティニアスなナビゲイター・吉沢元治のアルバムと言ったほうが正解だろう。 そんな吉沢に敬意を払ってか、「オレが、オレが」タイプの阿部も、一歩引いたスタンスで、吉沢に従っている様が微笑ましい。 徹頭徹尾フリーキーな阿部も良いが、思索的な阿部薫も良いもんです。 |
| (2005/11/24) |
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