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『Young Big Bill Broonzy 1928-1935』


やはり最初に聴いた時のインパクトが強かったからなのだろうか。私にとってのブルースマンといえば、まずはこの人。
ビッグ・ビル・ブルーンジー。

学生の頃、なぜかディスクユニオンの柏店で偶然見つけたCDのジャケットに吸い寄せられて購入したのが私とブルーンジーとの出会い。
アタックが強いくせに流麗なギターと、懐の深い“大人の声”で一気に虜となった。

最初は、この人のブルースばかり聴いていたものだから、周囲のブルース好きとはまったく話が噛みあわなかったもんね(笑)。
ある人は、クラプトンこそブルース! な感じだったし(んなわけあるまい)、コテコテのブルースマニアは、やっぱりハウリン・ウルフやマディ・ウォーターズだった。

今でこそハウリンやマディの眩暈がするほど、濃ゆーい世界にアタマをクラクラさせている私だが、ブルーンジーに慣れた耳からすると、ハードロックに聴こえた(笑)。

ま、それだけ、時代背景やアプローチに違いってのもあるんだろうけれども、ブルーンジーのブルースは、単なるノホホンな感じのノスタルジックな要素の強い音楽にあらず。

彼のブルースは一言、力強い。

この力強さは時代を選ばない。
21世紀になった今聴いても、なおも新鮮な感動と驚きを伝えてくれる。

つまり、スタイル云々ではないんだね、きっと。
スタイルはあくまで自分を出すための手段。
大事なのは、そのスタイルにどう乗っかるか。どう自分を表現し、聴き手を震えさせるか。

間違いなく、ブルーンジーのギターと歌声は、ブルース云々以前に、ブルーンジーという人間そのものを出し、時代を超えて、我々の感性を心地よく揺らしてくれるのだ。

力強さに加えて、彼の表現はどこまでもスマートで都会的なところも見逃せない。
力マカセな泥臭さとは縁遠いところも、私の好みにピッタリと合致しているのだ。

特に初期の彼のギターと歌が収録された『ヤング・ビッグ・ビル・ブルーンジー 1928-1935』というCDを未聴の方にはお薦めしたい。

味わい深い歌声と、舌を巻くギターのテクニック。
彼という人間がたっぷりと収められているのだ。

(記:2008/07/01)