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主人公が搭乗するモビルスーツを運搬し、ほとんど艦隊行動を取らずに、単独で様々な戦線を渡り歩いたという点は、初代ガンダムの「ホワイト・ベース」に通ずるものがある。 ところで、アルビオンの頭の上にくっついている、“強襲揚陸艦”という、ただごとではなさそうな漢字の熟語は一体なんなのだろう?
強襲=猛烈な勢いで敵を攻撃すること。 劇中では、荷物ではなく、モビルスーツを始めとした機動兵器のことを指すのだろう。
「強襲揚陸艦アルビオン」という船は、敵の拠点を「猛烈な勢いで攻撃」し、兵器(=モビルスーツ)を敵の拠点に「上陸」させることが役割の戦艦と推察される。 ところが、 重武装な戦艦なのかと思いきや、意外とそうでもなく、主力兵器はメガ粒子砲が2本のみ。ミサイルや対空機銃といった細々とした武装は、あるにはあるが、「強襲」という言葉からは連想が出来ないほど、武装は貧弱だ。
さらに、多数のモビルスーツを搭載できるのかと思いきや、それほど多くの機数を搭載出来るスペースがあるとも思えない。 たった2門ののメガ粒子砲の艦砲射撃で敵の軍事拠点を「強襲」し、6機のモビルスーツを「揚陸」させるのがアルビオンという戦艦に与えられた本来の目的だとしたら、これはかなり無茶な話だと思う。 一般に、基地や島や要塞などの敵の軍事拠点を攻撃し、兵士を上陸させるには、莫大な火力と人員を集中的に投入し、想像を絶するほどの兵器と兵員の消耗を覚悟しなければならないからだ。
私が子供の頃、「レニングラード攻略」のウォーゲームに熱中したことがある。
一つだけ、過去に読んだことのある戦史から例をあげてみよう。
米国としては、聞いたこともないような小さな島を占領するための戦闘だったはずだし、実際、日本軍の守備隊の兵力も大したことはなかったのだが、想像以上の激戦となり、3,000人以上の米軍の将兵が3日間の戦闘で戦死、または負傷した。ちなみに、日本軍4,700人に対して、米軍の投入兵力は17,000人だ。
この戦闘が教訓となり、後のガダルカナル島上陸や、沖縄上陸作戦においては、敵兵力の何倍もの量の兵力が投入されるようになった。
複数の同型艦が相互に協力しながら、作戦行動を取るのならともかく、このアルビオンという戦艦は一隻しか存在しないようだし、たったの一隻で「強襲」と「揚陸」という二つの任務を成し遂げるには、それこそ強力な火力と、多くの投入する兵力(=モビルスーツ)を搭載出来るキャパがなければならないとはずだ。 よって、「強襲揚陸艦アルビオン」の不幸は、本来の目的とはかけ離れたスペックの戦艦になってしまったことだと思う。
いや、もしかしたら、ガンダムの世界における未来の戦争では「強襲揚陸」の概念が今とは違うのかもしれない。 そして、もう一つの不幸は、ジオンの残党、ガトーらとの交戦により、本来の任務とは違う役割を最後まで担わされ、強襲でも揚陸でもなく、単独で個々の戦線を渡り歩く孤独な「運び屋さん」と化してしまったということで、二重に誤った運用方法を課せられてしまったということだろう。 もっとも、「強襲揚陸艦アルビオン」の「強襲揚陸艦」なる言葉、「なんとなく強そう」「ミリタリー心をくすぐりそう」「リアルだから」という単純な理由でつけられただけのような気がしないでもないが。
(記:2001/07/14)
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