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かの小林秀雄も「モーツアルト」ではGマイナーの交響曲に熱をあげているが、モーツアルトが生涯に作った41の交響曲のうちマイナー・キーの曲は僅か2曲しかない。重要な残り39曲に目をつぶってまでも、小林秀雄はマイナー曲に入れ込んでいるのだ。 普段音楽に関心を持っていない人が上の実例を持ち出されれば、「なるほど、言われてみればその通りだ」と思うかもしれない。 しかし、ヒネクレ者の私は、ほんとにそーかなーと思ってみたりもする。 勇壮であるはずの軍歌もマイナーじゃあないか、って言う人もいるが、「軍艦マーチ」「さらばラバウル」「加藤隼戦闘隊」のようにポピュラーな軍歌ってメジャーだぜ。「加藤隼戦闘隊」は途中でマイナーに転調するけどね。
各地に伝わる民謡だって、マイナー調もあればメジャー調も多いよ。「ソーラン節」がマイナーか? アニメのオープニングの曲だってよく考えてみれば、行け行け調の歌はメジャーだし、そうそう、ウルトラマンを例に取っても「マン」も「セブン」も「帰マン」もメジャーじゃん。「エース」あたりからは変化してきて、「エース」はマイナー、「タロウ」はマイナーからメジャーに転調する。「鉄腕アトム」だって「鉄人28号」だって「ガンダム」だってメジャーじゃない。 一体全体どうして「日本人=マイナー好き」という説が一般的になったのか俺には良く分からない。
ところで、メジャーだから「悲しい」、マイナーだから「陽気」だ。そんな単純な二分法で人間の感情を分けられたらたまったもんじゃないよね。
メジャーであること、マイナーであること、っていうのはいわば送り手側のテクニカルな問題で、受け手側にとっては、あまり関係の無いことなのでは?と思うんですが如何でしょ? 恥ずかしいけど、音楽は「ハート」でしょ、やっぱ。
(記:1999/04/09)
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